自分はどのグリップで握っているのかな?
うまく打てない原因はグリップかも…
こんにちは、リョウジです!
テニスの実用書を読むと、いろいろなグリップの握り方があり、それぞれに名称が付いていることもわかります。
それぞれのグリップにはメリット・デメリットがあり、プレーヤーの個性にも反映されます。
しかし、それと同時にグリップの疑問や悩みも尽きません。
今のグリップの握り方で合っているのかわからない、グリップの握りが原因でうまく打てない、グリップの特性に合わないスイングをしている…
わたしはテニスコーチをしていましたが、そのようなときは生徒さんに納得してもらえるようグリップについて詳しく説明してきました。
グリップの握りを変えたりスイングを修正するのは、生徒さんにとって本当に勇気がいります。
この記事では、わたし自身が実際に試したことやコーチ時代の経験を元に、グリップの握り方で知っておきたいことをまとめました。
テニスを始めたころは、握り方と名称だけ知っていれば十分です。
ただ、テニスを続けていくとグリップの握り方の疑問が、いろいろと出てくるはずです。
しかし、テニスの実用書を読んでも、グリップの握り方の疑問は解決しません。(多くのページをグリップの握り方に割けませんので…)
グリップの握り方で迷っている方の参考になるように、本来なら書くことのない細かい枝葉の部分もできるかぎり記事(もしくは別記事)にまとめました。
この記事が、あなたにとって理想の握り方を見つけるヒントになればうれしいです。
- 【テニスのグリップ】基本的な握り方と名称【見分け方は2つある】
- 【テニスのグリップ】さまざまな疑問【まとめ】
- 最後に…
【テニスのグリップ】基本的な握り方と名称【見分け方は2つある】
テニスのグリップの見分け方には、下記の2種類があります。
- 手のひらの斜めの線で分ける握り方
- 人差し指と親指が作るV字で分ける握り方
見分け方が2つあるのはややこしいですが、知っておいたほうがいい内容です。そのうえで、基本的な握り方と名称を考えてみましょう。
手のひらの斜めの線で分ける握り方
わたしが1番わかりやすいと思うグリップの握り方と名称はこちらです。
手のひらの斜めの線(人差し指の付け根と小指側の手のひらの下の部分を結ぶ線)を、グリップのどの面に合わせるかでグリップの握りを分ける方法です。
- 【コンチネンタルグリップ】
→グリップの②の面に合わせる - 【イースタングリップ】
→グリップの③の面に合わせる - 【セミウエスタングリップ】
→グリップの④の面に合わせる - 【ウエスタングリップ】
→グリップの⑤の面に合わせる - 【バックハンドイースタン】
→グリップの①の面に合わせる - 【バックハンドセミウエスタン】
→グリップの⑧の面に合わせる
上記は簡潔にまとめているので、もう少し細かくこの握り方を知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
上記の記事では、下記の3つを詳しく解説しています。
- グリップの基本的な握り方
- グリップの「厚い・薄い」の意味
- テニススクールで最初に習う握り方
初心者の方には、上記の記事を読むだけで十分な内容になっています!
人差し指と親指が作るV字で分ける握り方
グリップの見分け方は、もう1つあります。
人差し指と親指が作るV字でグリップの握りを分ける方法です。
テニスの実用書や雑誌にもよく掲載されているので、こちらのほうが馴染みがあるかもしれません。
わたし自身も、長い間お世話になったグリップの見分け方です。
下記のグリップだとこんな感じになります。
- 【コンチネンタルグリップ】
→V字が⑧の面と①の面の間の角にくる - 【イースタングリップ】
→V字が①の面にくる - 【セミウエスタングリップ】
→V字が②の面にくる - 【ウエスタングリップ】
→V字が③の面にくる
コンチネンタルグリップ・イースタングリップ・セミウエスタングリップは、わずかな握りの差で細かく分かれています。
V字で考えると、コンチネンタルグリップで握っているつもりが、気がつけばイースタングリップになっていることが起こります。
わたし自身ジュニアのころ、V字を参考にコンチネンタルグリップで握っていましたが、コーチに「それはイースタングリップだよ」と指摘されたことを覚えています…
また、ウエスタングリップはV字がどこにくるかより、「ラケットを地面において上からわしづかみに握るグリップ」と記載されている場合が多いです。
V字で分ける握り方で気をつけたいのは、小指球(しょうしきゅう)の手首に近い部分(=手のひらの小指側の下の部分)がグリップのどこに当たるかです。
V字の位置が同じでも、この部分のグリップに当たる位置が違えば、当然握り方は変わってしまいます。
【人差し指と親指が作るV字で分ける握り方】と【手のひらの斜めの線で分ける握り方】のズレ
コーチが教えてくれたグリップの握り方と、オレが本で読んだ握り方ってちょっと違うんだよな…なんでだろ?
もしかしたら、グリップの2つの見分け方のズレが原因かもしれません。
実際に握り比べるとわかるのですが、「V字で分ける握り方」と「手のひらの斜めの線で分ける握り方」では、同じグリップ名称でも握る厚さにズレが出てきます。
握る厚さにズレがないのは、コンチネンタルグリップくらい?
同じグリップ名称でも握る厚さにズレが出ることは、テニス指導者向けのサイト「テニス指導者.com~知識を知恵に変える~」グリップの考察に詳しく書いてあります。(勉強になりました!)
なので、テニス経験者の方は下記の2点を抑えておけばいいかと思います。
- 自分のグリップの握り方がどの握りに近いのか
- その握り方の特徴
テニスを続けていくと、最初に教わったグリップの握り方から自分に合う握り方に変わっていきます。
うまく打てない原因がグリップにあると思ったときに、グリップの基本的な握り方を確認すれば大丈夫です。
打点とスイングにマッチしていないグリップで打っていたり、サーブを厚いグリップで打っていて伸び悩んでいる場合などは、グリップの基本的な握り方を確認してみましょう!
【テニスのグリップ】さまざまな疑問【まとめ】
テニスの実用書にもあまり書いていない、さまざまなグリップの疑問をまとめました。
- 適切なグリップサイズとは?
- ハンマーグリップはよくないというけれど本当?
- フルウエスタングリップはどんなグリップ?
- エクストリームウエスタングリップってなに?
- 片手打ちバックハンドストロークのサムアップとは?
- 両手打ちバックハンドストロークの利き手のグリップは?
- 両手打ちでは両手をつけて握るべき?
- 両手打ちグランドストローカーの順手と逆手について
- グリップは長く持つ?短く持つ?
- 同じグリップでも打点やスイングは同じにならない?
- グランドストロークでは2つのグリップを所有しなければならない?
- グランドストロークでグリップの握りを変えるのはどんなとき?
- グランドストロークでグリップの握りを変えたら何に気をつける?
わたし自身が今までグリップで疑問に思ってきたことや生徒さんから聞かれた質問をまとめました!
適切なグリップサイズとは?
適切なグリップサイズは、ショットや握り方によっても変わります。
ショットだと下記のようになります。
- 【サーブ・スマッシュ・ボレー】
→細いグリップのほうが振りやすい傾向がある - 【グランドストローク】
→太めのグリップのほうがリストを固めやすくショットが安定しやすい
グリップをつまむように持つコンチネンタルグリップは、細いほうが握りやすい!どのショットを重視するかでグリップサイズも変わってきます。
グリップの握り方だと下記のようになります。
- 【手の中でグリップを斜めに長く握る】
→太めのほうが握りやすい - 【手の中でグリップを短く握る】
→細めのほうが握りやすい
手の中でグリップを斜めに長く握っている方が多いと思いますが、短く握っている(ハンマーグリップ)の方は細めの方がしっくりきます。
適切なグリップサイズについては、下記の記事をご覧ください。
ハンマーグリップはよくないというけれど本当?
ハンマーグリップは、その名のとおりトンカチを使うときの握り方です。
グリップを手の中で短く握り人差し指が機能しなくなるため、ラケット面が安定しづらいといわれています。
- 手のひらでグリップを斜めに長く握る基本的な握り方
- ハンマーグリップ
両者の1番の違いは、「ラケットと前腕が作る角度が違う」ということです。
ハンマーグリップではラケットと前腕が作る角度が90度に近くなります。
この角度を生かせれば、このグリップを利用することに問題はありません。
特定のショットだけ、ハンマーグリップを使用する方法もありかと思います。
ボレーを打つときラケットヘッドが落ちてしまう場合、ハンマーグリップで握るとラケットヘッドが立ちやすくなります。
ハンマーグリップについては、下記の記事をご覧ください。
フルウエスタングリップはどんなグリップ?
フルウエスタングリップには、下記の2つの考え方が存在します。
- ウエスタングリップよりさらに厚いグリップ
- ウエスタングリップと同意語
握り方は同じですが、ウエスタングリップをどう捉えるかによって意味が変わってしまいます。
詳しくは、下記の記事をご覧ください。
エクストリームウエスタングリップってなに?
フルウエスタングリップの他に、エクストリームウエスタングリップという言葉もあります。
「エクストリーム」を直訳すると「極端」です。
要するに、極端なウエスタングリップということです。
1994年のフレンチオープン男子シングルスで準優勝アルベルト・ベラサテギ(スペイン)が極端に厚いウエスタングリップで打っていたため、彼のフォアハンドストロークのグリップをエクストリームウエスタングリップと呼ぶようになりました。
詳しくは、下記の記事をご覧ください。
片手打ちバックハンドストロークのサムアップとは?
片手打ちバックハンドストロークのサムアップとは、親指を伸ばしてグリップを後ろから支える握り方です。
今はサムアップで握る方は少なく、この言葉自体あまり聞かなくなりました。
わたし自身、片手バックハンドが得意なコーチにサムアップを勧められて試したことがあります。(過去2人のコーチから言われました。言われたのは、20年と10年くらい前ですが…)
試してみた感想は下記のとおりです。
- インパクトでのラケット面は安定する
- ラケットヘッドが走らず振りにくい感じ
- 親指を立てるのが手間に感じた
- 打ったときのフィーリングがどうも合わない
短い期間しか試していませんが、わたしにはデメリットのほうが多かったため、すぐに戻してしまいました。
気になる方は、サムアップのありなしでどう片手打ちバックハンドが変わるか、実際に試してみてください。
ラケット面をうまく保てない方は、親指を立ててグリップを支える方法もあることを知っておいてください。グリップを短く持って対処するのもありです。
両手打ちバックハンドストロークの利き手のグリップは?
グリップの握りのバリエーションが豊富な両手打ちバックハンドストローク。
両手打ちバックハンドストロークを、利き手のグリップの握りだけで分けると3種類になります。
- コンチネンタルグリップ
- フォアハンドストロークのグリップ
- バックハンドよりのグリップ
初心者であれば利き手をコンチネンタルグリップにするのが無難ですが、合わない場合もあります。
詳しくは、下記の記事をご覧ください。
両手打ちでは両手をつけて握るべき?
テニススクールでは、両手をつけてグリップを握ることを推奨しています。
グリップと手の接点を短くして、ラケットヘッドが加速しやすいスイングにするためです。
ですが、両手を離してうまく打っているのなら、直す必要はありません。
実際に打ってみるとわかりますが、両手を離して握ると、ラケット面を保ったままスイングしやすくなります。
ラケットの操作性も上がるので、追い込まれたときにも力を発揮します。
スイング中にラケット面が保てない方は、試してみる価値あり!
両手打ちグランドストローカーの順手と逆手について
テニススクールでは、フォアハンドストロークを片手で打てない子どもに両手打ちで指導します。
両手打ちフォアハンドストロークの握りには、下記の2パターンがあります。
- 順手で握る
- 逆手で握る
順手で握る
基本的には、順手でグリップを握ります。
通常テニススクールで両手打ちを教えるときは、フォアハンドもバックハンドも順手で打つように指導します。
右利きの場合、フォアハンドのときは右手がヘッドよりで左手がグリップエンドより、バックハンドのときは左手がヘッドよりで右手がグリップエンドよりです。
グリップチェンジするときは、両方の手を空中で上下に入れ替える必要があります。
フォアハンドストロークを片手打ちに変更する子どもがほとんどなので、いずれグリップチェンジの手間は右手のみに減ります。(右利きの場合。)
逆手で握る
通常テニススクールでは、両手打ちをフォアハンドもバックハンドも順手で打つように指導しますが、もう1つの考え方があります。
両手打ちフォアハンドストロークを逆手でグリップを握る方法です。
右利きの場合、フォアハンドは左手が上で右手が下)で握る方法です。
フォアハンドもバックハンドも、同じく左手がヘッドよりで右手がグリップエンドよりです。
両手打ちフォアハンドストロークを逆手で握るメリットは下記のとおりです。
- グリップチェンジが必要なくフォアハンドもバックハンドもすぐ打てる
- フォアハンドストロークを片手打ちに移行するときは左手を外せばいい
中には両手打ちの打感や安定感を好み、そのままフォアハンドストロークを両手で打ち続ける方もいます。
フォアハンドとバックハンドを両手で打っている女子プロ選手は、フォアハンドストロークを逆手で握って打つプレーヤーが多いようです。
グリップは長く持つ?短く持つ?
グリップは長く持ったほうがいいのか、短く持ったほうがいいのか。
グリップを持つ場所に正解はありません。
持ちやすい長さでグリップを持てばOKです。
しかし、グリップを長く持つか短く持つか、それぞれの特徴を知っておいて損はありません。
それぞれの特徴を理解したうえで、どちらが合うか試したり、状況やショットによって使い分けることをオススメします。
詳しくは、下記の記事をご覧ください。
同じグリップでも打点やスイングは同じにならない?
同じグリップで握っていても、打点やスイングが同じになるとはかぎりません。
フラットドライブで直線的なボールを打つ人もいれば、トップスピンを大量にかけて放物線を描いて打つ人もいます。
同じグリップで握っていても、下記が違えば打点やスイングは変わってきます。
- 手首の曲げ具合が違う
- 肘の曲げ具合が違う
それゆえに、同じグリップだとしてもさまざまな個性が生まれます。
詳しい解説については、下記の記事をご覧ください。
グランドストロークでは2つのグリップを所有しなければならない?
グランドストロークでは、基本的に2つのグリップを所有しなければ戦えません。
最終的に、トップスピンからスライス、厚い当たりから薄い当たりまで使い分ける必要があるからです。
1つの握り方だけでは向き不向きがあり、ボールの変化も少なく、相手に読まれやすいです。
トップスピンに適した握りとスライスに適した握りを使い分けることで、プレーの幅が大きくて広がります。
最初はトップスピンをかけられるグリップでテニスを始めると思いますが、ある程度打てるようになったら早めにもう1つのグリップ(コンチネンタルグリップ)を訓練し、スライスにも慣れていきましょう。
コンチネンタルグリップならワングリップでもできなくはありませんが、強力なトップスピンは打ちづらいです…
グランドストロークでグリップの握りを変えるのはどんなとき?
サーブ・スマッシュ・ボレーに比べると、自由度の高いグランドストローク。
グリップの握りも幅広いです。
グリップの握りは自然に変わっていく場合と、自らの意思で変える場合が考えられます。
- ベースとなる打つ高さが変わるとき
- ボールの質を変えるとき
- イップスを起こさないようにしたいとき
興味があれば、下記の記事を覗いてみてください。
グランドストロークでグリップの握りを変えたら何に気をつける?
グランドストロークでグリップの握る厚さを変えたいとき、どんなことに気をつけたらいいでしょうか?
普段厚いグリップで打っているコーチが身近にいたら、聞いてみるといいかもしれません。
レッスンのデモでは、スクール生の模範となるグリップで打っているはずです。
それぞれどんなことに気をつけて打っているかがヒントです。
わたしも、フォアハンドのドライブ系ショットを2つのグリップで使い分けています。
上記の記事では、グリップを厚くしたときと薄くしたときにそれぞれ気をつけることをまとめています。
グリップの握りを変えたときに、どんな練習がオススメかも書いています。わたしが実際にやっていた練習です。
最後に…
手のひらとラケットをつなぐ、大事なグリップの握り方についてでした。
長くなってしまいましたが、テニスのグリップの握り方について少しでも疑問が解消できるように、細かい点までまとめてみました。
それぞれの特性を理解したうえで、ご自分に合ったグリップの握りを見つけ、練習を重ねながら馴染ませてみてください。
テニスの基礎知識に関する記事を集めました!
テニスのグリップの握り方を知りたい!