こんにちは、リョウジです!
よく「両手打ちバックハンドストロークは左手のフォアハンドストローク(右利きの場合)だと思って打とう。」と言われていますが、本当にそうなんでしょうか?
もし、左手だけでバックハンドストロークの練習をしようとしているなら、過度な期待はしないほうがいいかもしれません。
テニスの両手打ちバックストロークは左手のフォアストロークとは違う
両手打ちバックハンドストロークは、左手のフォアハンドストロークとは違います。
理由は3つあります。
【両手打ちバックハンドストロークとフォアハンドストロークの違い】
- 身体の開き具合が違う
- 打点が違う
- テイクバックが違う
1つずつ解説していきます。
身体の開き具合が違う
両手打ちバックハンドストロークとフォアハンドストロークでは身体の開き具合が違います。
両手打ちバックハンドストロークは、おへそが打点の方向へ向いているときにボールをとらえます。
フォアハンドストロークは、グリップの握りにもよりますが、おへそが正面をむいているときにボールをとらえます。
これは、ラケットを両手で持って打っているか片手で持って打っているかの違いでもあります。
フィニッシュでは、両手打ちバックハンドストロークは身体が正面を向いて終わります。
それに比べて、フォアハンドストロークのフィニッシュは右肩がアゴにつくくらい身体を積極的に回すこともあります。(右利きの場合です。)
打点が違う
両手打ちバックハンドストロークとフォアハンドストロークでは打点も違います。
両手打ちバックハンドストロークは両手でラケットを持っているため、上記で書いたとおり打点での身体の開き具合がフォアハンドストロークとは違います。
両手打ちバックハンドストロークの打点では、後ろにある肩(左肩)がフォアハンドストロークほど前には出てきません。
それゆえに、フォアハンドストロークほど打点は前にならないし、身体から遠くにもなりません。
そもそも左手はラケットを短く持っていますので、これだけでも打点が身体の近くになることがわかります。
テイクバックが違う
両手打ちバックハンドストロークとフォアハンドストロークでは、テイクバックが違います。
テイクバックの仕方に関しては、まったく違うわけではありません。
共通部分も多いのですが、片手で打てるフォアハンドストロークのほうがよくも悪くも自由度が高いです。
テイクバックにおける大きな違いは、打球面の向きです。
両手打ちバックハンドストロークは両手でラケットを持っているため、テイクバックで打球面を開くことが許されます。(オープンフェイスといいます。)
それに比べて、フォアハンドストロークはテイクバックで打球面を開きません。
どちらかというと打球面をふせぎみにします。(フォアハンドストロークでも頭の上に振りかぶってテイクバックすると打球面は上を向きますが、テイクバックが終了すると打球面は開いてはいないはずです。)
また、両手打ちバックハンドストロークは両手でラケットを持っているため、フォアハンドストロークほど大きなテイクバックはとれません。
コンパクトなテイクバックから打てるのが、両手打ちの長所なので…
ではなぜ両手打ちバックストロークは左手のフォアと呼ばれるのか?
ではなぜ両手打ちバックハンドストロークは左手のフォアハンドストロークだと思って打てと言われるのでしょうか?
両手打ちバックハンドストロークでは、力の入る利き手の右手で打ってしまいがちです。
両手の力をうまく使って打つためには、左手で打つ意識も必要です。
左手の感覚を高めるために、左手1本でフォアハンドストロークのように打つことが推奨されるのです。
両手打ちバックハンドストロークが得意な人に打ってもらうとわかりやすいのですが、左手1本で打つとフォアハンドストロークより身体の近くに打点をとって打ちます。
これは、左手のフォアハンドストロークというより、両手打ちバックハンドストロークからガイドしている右手を外した形です。
片手で練習するときは、左手でフォアハンドストロークを打つのではなく、両手打ちの左手の感覚を高めるために打つべきです。
両手打ちバックハンドストロークとフォアハンドストロークは似ているようで違うのですから…
最後に…
「両手打ちバックハンドストロークは左手のフォアハンドストロークだと思って打とう。」
その言葉を信じて、わたしは左手のフォアハンドストロークそのものを練習した時期があります。
左手でフォアハンドストロークがある程度打てるようになったものの、両手打ちバックハンドストロークはうまく打てるようになりませんでした。
「両手打ちバックハンドストロークは、左手のフォアハンドストロークとは違う。」
そのときに得た教訓です。