こんにちは、リョウジです!
テニスのグランドストロークの主な球種に、順回転をかけるトップスピンと逆回転をかけるスライス(アンダースピン)があります。
グランドストロークのトップスピンとスライスの共通点と違いはなんでしょう?
トップスピンとスライスの共通点
手首はインパクトの形を保つ
トップスピンもスライスも、手首はインパクトの形を保ち、スイングします。
トップスピンで薄く当てる(打つ方向とスイングする方向が違い、こするように当てる)場合は、手首を多少やわらかくしておきますが、意識的にリストワークを使う訳ではありません。
手首の形は維持します。
顔は打点に残しておく
トップスピンもスライスも軸を崩さないように、スイング中顔は打点に残しておきます。(すぐにボールの行き先を見ない。)
回転量を減らしていくと後ろから前のスイングになる
トップスピンもスライスも回転量を減らし、厚い当たり(打つ方向とスイングする方向が同じ)にしていくと、後ろから前の直線的なスイングに近づいていきます。
直線的なスイングでは、打点と同じ高さにラケットを準備して、打点と同じ高さにフォロースルーをとります。
どちらも後ろから前にスイングする要素がないと、推進力がなくボールが飛んでいきません。
トップスピンとスライスの違い
ボールの軌道
- トップスピン → 高い弾道でバウンド後は高く弾む
- スライス → 低い弾道でバウンド後は低くすべる
それぞれのボールの軌道とバウンドした後の弾み方はかなり違います。
トップスピンは、ネットのかなり上を通る高い弾道です。
バウンドした後も、前に食い込むように弾んできます。
スライスは、ネットスレスレを通る低い弾道です。
バウンドした後も、すべるように低く弾みます。
ボールに対してスイングする方向
- トップスピン → 下から上にスイング
- スライス → 上から下にスイング
トップスピンは、ボールの下から上に振り上げて回転をかけます。
スライスはボールの上から下にスイングします。
ボールを前に飛ばすために、どちらも後ろから前にスイングする要素も加える必要があります。
スイング軌道
- トップスピン → インサイドアウト
- スライス → アウトサイドイン
トップスピンはインサイドアウト(内側から外側へ)のスイングになります。
その結果、テイクバックでのラケット面は、打つ方向に対して横から後ろ方向になります。
グリップが薄ければラケット面は横に向き、グリップが厚ければラケット面は後ろを向きます。
スライスはアウトサイドイン(外側から内側へ)のスイングになります。
その結果、テイクバックでのラケット面は、打つ方向より少し外を向きます。
スイング中の先行するラケットフレーム
インパクトのとき、ラケットの上側にあるサイドフレームを「上のフレーム」、下側にあるサイドフレームを「下のフレーム」とします。
- トップスピン → 上のフレームを先行
- スライス → 下のフレームを先行
トップスピンは、上のラケットフレームを先行させてスイングします。
その結果、インパクト前までのスイングでは、ラケット面はふせ気味になります。(グリップの握りでふせ具合は変わります。)
スイングがインパクトに向かうにつれ、ラケット面は徐々に起きてきます。
インパクトで地面と垂直になります。
フィニッシュでは、上のフレームと下のフレームの位置がひっくり返り、打つ方向の横にラケット面が向きます。
右利きなら、フォアハンドストロークのフィニッシュでは、ラケット面が左側を向きます。
バックハンドストロークのフィニッシュでは、ラケット面が右側を向きます。
一方スライスは、下のラケットフレームを先行させてスイングします。
ラケット面は開き気味(上向き)でスタートして、インパクトまではその開き具合をキープします。
打つ高さで、ラケット面の開き具合は変わってきます。(高い打点は垂直に近く、低い打点は開き具合を大きくします。)
インパクト後、下のフレームを先行して拳を前に出した結果、ラケット面は徐々に開いていき、最終的に上を向きます。
インパクト後、ラケットのサイドフレームがひっくり返るトップスピンとは明らかに違います。
身体の回転
- トップスピン → 身体の回転を使う
- スライス → 身体の回転を使わない
トップスピンは身体の回転を使います。(ただし、グリップにもよります。グリップが厚いほど積極的に身体を回します。)
片手打ちバックハンドストロークも大きく身体を回しませんが、少なからず腰の回転は使います。
トップスピンでは、身体を回転して打つため、打点は身体の前でしか打てません。
それに対してスライスは、身体の回転は使わずに、肩甲骨を支点にスイングします。
スライスでは、身体の回転を使わず、フォロースルーがとれるように、ボールを引きつけて打ちます。
ラケットヘッドの位置
- トップスピン → ラケットヘッドを落とす
- スライス → ラケットヘッドを上げる
トップスピンでは、ラケットヘッドを落とします。
脇を締め、肘を曲げ、手の握りを緩めると、グリップエンドよりラケットヘッドが落ちます。(グリップの握る厚さにもよります。)
スライスでは、ラケットヘッドを上げます。
脇を開け、肘を伸ばし気味にして、手首をコックする(親指側に起こす)と、グリップエンドよりラケットヘッドが上がります。
同じコンチネンタルグリップならトップスピンとスライスの違いはどうなる?
「身体の回転」と「ラケットヘッドの位置」に違いがなくなります。
この2つは、トップスピンとスライスの違いというより、グリップの握りの違いだったのです。
トップスピンもスライスも身体は回転しない
コンチネンタルグリップでは、身体の回転を使ってトップスピンを打つと、ラケット面が上を向いてしまい、ボールが上方に吹っ飛びます。
スライスと同じように、身体の回転を抑えて、トップスピンを打ちます。
トップスピンもスライスもラケットヘッドは上がる
コンチネンタルグリップで握ると、ラケットヘッドが落としづらくなります。
トップスピンで打つ場合も、スライスと同じようにラケットヘッドが上がります。
どちらも、脇を開け、肘を伸ばし気味にして、手首をコックする(親指側に起こす)形をとります。
コンチネンタルグリップでトップスピンとスライスを打ち分けるときの違い
まとめると、下記のようになります。
トップスピン
- 下から上にスイング
- インサイドアウト
- 上のフレームを先行
スライス
- 上から下にスイング
- アウトサイドイン
- 下のフレームを先行
トップスピンとスライスの打ち方がごちゃまぜになる前に…
テニスを始めると、グランドストロークで下から上にスイングしてトップスピンを覚えます。
最初、「グランドストロークはスイングする、ボレーはスイングしない」と教わるので、大きな混乱はなく、使い分けができると思います。
テニススクールでいうと初中級もしくは中級レベルになって、ボレーに回転をかける技術も兼ねて、スライスを教わります。
ところが、スライスを覚えて、ボレーでアンダースピンをかけたり、飛距離を伸ばすためにラケットを振り始めると、両方の技術が入り混じり、スイングが壊れ始めます。
トップスピンとスライスの共通点と違いを理解して、双方のスイングを使い分けれるようにしてみてください。