こんにちは、リョウジです!
プロの試合を見ると、フォアハンドストロークで打つときはほとんどがオープンスタンス。
オープンスタンスはいろいろなボールに対応できる使い勝手のいいスタンスです。
この記事では、フォアハンドストロークをオープンスタンスで打つには何が必要かを紹介します。
オープンスタンスを使う条件を知って効率よく習得しましょう。
フォアハンドストロークで高く弾むボールを打ち込むときなど、オープンスタンスはいろいろな場面で重宝します。
※この記事では、セミオープンスタンスもオープンスタンスに含めて考えています。
テニスのフォアハンドストロークでオープンスタンスを使う条件
フォアハンドストロークでオープンスタンスを使う条件は4つあります。
- オープンスタンスにこだわらない
- インサイドアウトのスイングができる
- 軸足でボールとの距離がとれる
- 軸足の股関節を折り込める
上記を満たした上で実際にオープンスタンスを練習すれば遠回りしなくて済むはずです。
オープンスタンスにこだわらない
フォアハンドストロークでオープンスタンスを使う条件の1つ目はマインドの部分です。
最初に理解しておきたいのは、「オープンスタンスにこだわらない」ことです。
なぜかと言えば、すべてのボールをオープンスタンスで打つのは非効率だからです。
そして、状況に応じてスタンスを使い分ける判断力も必要です。
思考を停止して、フォアハンドストロークをすべてオープンスタンスで打つのは避けましょう。(これは高校生のときのわたしです…)
例えば、軸足を決めるだけで前足を踏み込まなくてもボールを呼び込めるときはオープンスタンスで打ちやすいです。
逆に、前足を踏み込まないと打ちづらい浅くて低いボールはオープンスタンスが向きません。
無理にオープンスタンスを使うと、踏み込んで打つより軸足を前に移動する必要が出てきます。
これでは少ない動きで打てるオープンスタンスのメリットがなくなってしまいます。
オープンスタンスを習得する段階では、使用頻度を上げるために普段よりオープンスタンスを使うのはいいのですが、すべてのボールをオープンスタンスで打とうとは思わないことです。
インサイドアウトのスイングができる
フォアハンドストロークでオープンスタンスを使う条件の2つ目は、「インサイドアウトのスイング」ができているかどうかです。
オープンスタンスを使う上で1番の難関になります。
スクエアスタンスで打てるようになってからオープンスタンスを習得したほうがいいと言われる理由はここにあります。
インサイドアウトのスイングができていない状態でオープンスタンスを使い出すと、フォアハンドストロークのスイングがいつまでたってもよくわからず、闇雲に打ち続けることになりかねません。
わたし自身この泥沼に長い期間はまってしまい、フォアハンドストロークの安定がえらく遠のいてしまいました。
インサイドアウトのスイングができているかどうかは自分ではわかりづらいです。
もし、フォアハンドストロークを打ったときに下記のように感じていたら、インサイドアウトのスイングができていない可能性が高いです。
- しっくりこない
- 打感が気持ち悪い
- ラケットの根元のほうに当たる
- ラケットの先っぽのほうに当たる
わたし自身インサイドアウトのスイングがわかるまで、フォアハンドストロークを打つたびにこのように感じていました。
インサイドアウトのスイングを身につけるには、深いショルダーターンが必要です。
深いショルダーターンは、オープンスタンスではつかみにくい動作です。
下半身が横向きからスタートするスクエアスタンスのほうが、深いショルダーターンが作りやすいです。(わたしはクローズドスタンスをとることでやっとインサイドアウトのスイング感覚がわかりました。)
深いショルダーターンをとり、インサイドアウトのスイングを身につければ、オープンスタンスの習得はスムーズになります。
軸足でボールとの距離がとれる
フォアハンドストロークでオープンスタンスを使う条件の3つ目は、「軸足でボールとの距離がとれる」ことです。
軸足でボールとの距離をとるとき、下記の3つを気をつけましょう。
- オープンスタンスはボールとの距離のとり方が他のスタンスと違う
- 軸足とボールとの距離は打つ高さで違う
- 軸足とボールの距離は近くても遠くてもダメ
オープンスタンスはボールとの距離のとり方が他のスタンスと違う
スクエアスタンスやクローズドスタンスでは、スイングの軸が後ろ足から前足に移動します。
この体重移動を前提にボールとの距離をとっていました。
オープンスタンスでは、この体重移動をなくし、直接軸足でボールとの距離をとる必要があります。
とはいっても、これは慣れの問題です。
体重移動という余計な動作がない分、慣れればオープンスタンスでボールとの距離をとるほうがやさしくなります。
実際にオープンスタンスを使っいくことで、ボールとの距離をとる精度は上がっていきます。
ラケットを使わずに、手でボールをキャッチする練習も有効です。
ボールを自分でワンバウンドさせて、オープンスタンスをとりスイングした手でキャッチします。
軸足とボールとの距離は打つ高さで違う
どのスタンスにも言えることですが、軸足とボールとの距離は打つ高さで違います。
低い位置でボールを打つときは、ラケットが身体に近づくので打点が軸足に近くなります。
逆に、高く弾むボールを打つときは、腕を上げる高さが水平に近づきラケットが身体から離れるので打点は軸足から遠くなります。
軸足とボールの距離は近くても遠くてもダメ
オープンスタンスで打つとき、軸足とボールの距離は近くても遠くてもダメです。
ボールの近くに軸足を入れてしまうと、腕を縮めて合わすことになります。
これでは、軸足を中心にした回転運動でラケットをうまく加速できません。
軸足がボールから遠いと、打点での肘や手首の角度が崩れたり、顔が打点に残せず動いてしまいます。
とはいえ、ボールとの距離を適切にとり続けるのは難しいです。
オープンスタンスは非常に応用がきくスタンス。
ジャンプしながら打ったり左足(右利きの場合)を踏み込むことで、ボールとの距離を調整することが可能です。
軸足の股関節を折り込める
フォアハンドストロークでオープンスタンスを使う条件の4つ目は、「軸足の股関節を折り込める」ことです。
スクエアスタンスやクローズドスタンスでも使いますが、オープンスタンスでは必須の動作となります。
軸足の股関節を折り込むことで、骨盤より上をターンすることができ、身体を回転させるパワーの源になるからです。
膝が曲がっていても股関節の折り込みがないと、見た目だけの力が伝わらないオープンスタンスになってしまいます。
ボールを打ちながらこの動作を意識するのは難しいので、左右交互に股関節を折り込む体操で身体になじませましょう。
股関節を折り込むには、股関節に手刀を当てて挟むようにするとわかりやすいです。
オープンスタンスで打つために、この動作を無意識レベルでできるまで訓練しましょう。
条件を満たさなくてもオープンスタンスで打ったほうがいいケース
上記の条件を満たしていない場合、積極的にオープンスタンスを使わず、前足を踏み込むスクエアスタンスをオススメします。
とはいえ、オープンスタンスを一切使わないのは逆に難しいです。
条件を満たしていなくてもオープンスタンスで打ったほうがいいケースがあるからです。
それは下記の2つです。
- 前足を踏み込んで打てないとき
- 右半身が出てインパクトを迎える感覚をつかみたいとき
前足を踏み込んで打てないとき
1つ目は、前足を踏み込んで打てないときです。
この場面で無理に踏み込んで打とうとすると、打点が遅れて身体をうまく回せなくなり、窮屈な打ち方になります。
これを繰り返していると悪いクセがつくので要注意です。
前足を踏み込んで打てないときとは、下記のようなボールが来て時間的余裕がないときです。
- 深いボール
- 速いボール
- 横に走らされたボール
どれも実戦でよく来るボールで、オープンスタンスに不慣れでも挑戦していく必要があります。
それぞれオープンスタンスで返球する際は、下記を意識してみてください。
- 深いボール → 軸足で踏ん張る
- 速いボール → 相手の球威を利用する
- 横に走らされたボール → 姿勢を保つ
前足を踏み込んで勢いをつけられない以上、無理をせず返球しましょう。
右半身が出てインパクトを迎える感覚をつかみたいとき
2つ目は、実戦ではなく矯正法としてオープンスタンスを使うケースです。
フォアハンドストロークで身体をうまく回せない人が対象です。
右半身が出てインパクトを迎える感覚をつかみたいときに使います。(右利きの場合です。左利きの場合は左右が逆になります。)
やり方は下記のとおりです。
手出しのボールもしくは自分でトスしたボールで行います。
身体は正面向きでスタートします。
本来は左足を前に踏み込んで打つと思いますが、軸となる右足を前に踏み込んで打ってみます。
軸足のつま先を打つ方向(前方向)に向けて踏み込みます。
極端なオープンスタンスをとりながら、上体を捻って打ちます。
ボールを打った後、身体は180度回り、左側を向きます。
身体を捻って回転させて打つことは覚えやすいですが、極端なオープンスタンスはインサイドアウトのスイングがしづらいです。
インサイドアウトのスイングができていない場合、右半身が出てインパクトを迎える感覚をつかんだら、必要以上にこの練習をやらないようにします。
最後に…
わたしがテニスを始めた頃は、プロの試合を見るたびにオープンスタンスでフォアハンドストロークが打てるようになりたいとよく思ったものです。
フォアハンドストロークでオープンスタンスを使う条件を知って、わたしのように遠回りせずに習得してみてください。
オープンスタンスで打ちながら条件をクリアしていく方法も考えられますが、インサイドアウトのスイングがネックになるかもしれません。
やはり、「スクエアスタンス(場合によってはクローズドスタンス) → インサイドアウトのスイング → オープンスタンス」の順番に身につけていくのが無難だと思います。