こんにちは、リョウジです!
テニスのフォアハンドストロークでは、状況に応じてスタンスを使い分けて打ちます。
1番使用率が高いスタンスは、コースの打ち分けがしやすいセミオープンスタンスです。
フォアハンドストロークで、クローズドスタンスを勧める人はあまりいないと思います。
しかし、わたしにはクローズドスタンスに忘れられない恩があります。
「わたしのフォアハンドストロークがどんな状態だったか」と「どうしてクローズドスタンスで救われたのか」をこの記事にまとめました。
もし、フォアハンドストロークで下記のような悩みがあれば、この記事が少しは役立つかもしれません。
- フォアハンドのグリップが定まらない
- フォアハンドの打感が気持ち悪い
- フォアハンドのスイングがわからない
- フォアハンドでボールとの距離がうまくとれない
かつてのわたしのように、フォアハンドストロークで苦しんでいる方の一助になれば幸いです。
わたしのフォアハンドストロークを救ったクローズドスタンスの話
それはまだ、わたしがフォアハンドストロークでボールとの距離をつかめず、なかなかスイートスポットでボールをとらえられないときの話です。
グリップの握りを大幅に変更する
テニスを始めてから20才くらいまで、わたしのフォアハンドストロークの握りは打っていくうちに厚くなっていきました。
しまいには、ウエスタングリップ以上に厚くなります。
なかなかラケットのスイートスポットでボールをとらえられず、いつもかすれた当たりで一生懸命スイングしてボールを飛ばしていました。
やがて、テニスがうまくいかないまま両膝を痛めてしまい、長い期間テニスから離れてしまいます。
その後、30才くらいでテニスを再開します。
再開するとき、フォアハンドストロークのグリップを少し薄くして、ウエスタングリップに修正しました。
しかし、練習しても一向にボールがコントロールできるようになりません。
そこで、1からフォアハンドストロークをやり直すことを決意します。
さらにグリップを薄くして、イースタングリップ(ラケット面に手を乗せてそのままグリップエンド近くまでずらしていくグリップ)に握りを変えることにしました。
とにかく打感が気持ち悪い
イースタングリップで握り、ラケット面をインパクト後も保てるようになりたい。
そして、ボールを狙った場所にコントロールできるようになりたい。
そんな思いがありました。
ですが、どうしてもボールとの距離が合いません。
ボールに近づきすぎてしまいます。
ボールから離れて足を決めても、ラケットの先端近くにボールが当たってしまいます。
フォアハンドストロークで打つと、とにかく打感が気持ち悪くて、苦痛でしかなかったです。
まだ、コンチネンタルグリップ(正確にはコンチネンタルとイースタンの間くらいです)で打ったほうが、打感もよくボールもコントロールできました。
軸足で打点との距離をとることを意識したが…
軸足で打点との距離をとることを意識しましたが、長い期間この状態から抜け出すことはできませんでした。
基本スタンスのスクエアスタンスで繰り返し打ったり、軸足の右足を出しながら極端なオープンスタンスで打ってみたりもしました。
それでも、しっくりくることはありませんでした。
ラリーとシングルスのマッチ練習ができる時間が増えた
転機は、練習をしてくださる先輩に巡り会えてからでした。
そこで、ラリーとシングルスのマッチ練習をする時間が大幅に増えました。
ライブボール(生きたボール)の中で、試行錯誤しながら打てたのが大きかったです。
打ちながら考える…軸足で距離をとってもなぜボールとの距離が近くなってしまうのか?
フォアハンドストロークを打ちながら考えました。
「軸足で距離をとっても、なぜボールとの距離が近くなってしまうのか?」
例えば、フォアハンドストロークをスクエアスタンスで打つときを考えます。
- 軸足(右足)でボールとの距離をとる
- 左足を踏み込みスクエアスタンスをとる
- スイング時に身体が回転する
- 右足の真上にあった右肩が右前に出てくる
右肩が右前に出てくる分、打点が近くなってしまうのです。
とはいえ、右肩が右前に出てくることを前提にボールとの距離を合わせることが、わたしにはできませんでした。
たまたまクローズドスタンスで打ったとき気持ちよくボールを打てた
繰り返されるラリーとマッチ練習の中で、たまたまクローズドスタンスで打ったとき、気持ちよくボールが打てたのです。
わたしの「気持ちよく打てる」は下記を満たした状態です。
- ボールとの距離が合う
- スイートスポットでボールをとらえられ打感もいい
- ボールを狙ったところにコントロールできる
クローズドスタンスが、フォアハンドストロークの気持ち悪い打感から抜け出す突破口になったのです。
テニスのフォアハンドストロークがクローズドスタンスで気持ちよく打てた理由
ろくにボールが返らないわたしと練習してくれた先輩には感謝しかありません…
なぜ、クローズドスタンスでフォアハンドストロークが気持ちよく打てたのか、その理由を考えてみました。
結論としては、クローズドスタンスによって強制的にインサイドアウトのスイングで打てたからです。
クローズドスタンスで打つことにより、ラケットをスイングする方向が今までと変わりました。
もう少し細かく観察してみると、下記の3つがわかりました。
- ボールと軸足との距離が充分にとれた
- 右前に向かってスイングしているためボールが遠くてもラケットが届く
- 自然とインサイドアウトのスイングになるため身体が回転してもまっすぐボールが飛ぶ
ボールと軸足との距離が充分にとれた
【横側から見たところ】
【後方から見たところ】
気持ちよく打てたときの打点は、自分が想像していた打点よりもっと前で、もっと右でした。
軸足と打点は恐ろしく離れていました。
軸足と打点の距離がこんなに遠いなんて…知らなかった。
右前に向かってスイングしているためボールが遠くてもラケットが届く
↓
前足に体重移動すると遠くの打点でも届く
クローズドスタンスをとることで、打つ方向を前方と考えると「左後ろから右前に向かってスイング」ができます。
軸足から打点が遠くても、それを追いかけるようにラケットも遠くに行けます。
今までは、スクエアスタンスやオープンスタンスで軸足から打点を遠くとると、ラケットの先端に当たっていました。
クローズドスタンスをとることで、ラケットの先端に当たることはなくなりました。
自然とインサイドアウトのスイングになるため身体が回転してもまっすぐボールが飛ぶ
↓
インサイドアウトのスイングになる
本来、セミオープンスタンスやオープンスタンスだと、インパクト時に軸足の上近くに右肩(右利きの場合)があるので、軸足でボールとの距離がとりやすいはずです。
しかし、わたしの場合インサイドアウトのスイングになっていなかったため、ボールはまっすぐ飛ばず、打感もしっくりきませんでした。
↓
右肩の引きが足りずグリップエンドが外側から内側に入っている
わたしのフォアハンドストロークには、上体のひねり(特に肩のローテーション)が足りていませんでした。
↓
肩がしっかり入るとグリップエンドが内側から外側に出ていく
しかし、クローズドスタンスなら上体をひねらなくても、テイクバックでラケットをインサイドに持っていけます。
しかも、そこからアウトサイドにラケットを振っても、アウトサイド方向にボールは飛んでいきません。
アウトサイドにラケットを振っても、身体の回転による誤差があるため、ボールはまっすぐ飛んでいきます。
クローズドスタンスでラケットをどの方向に振ればいいかがわかると、わたしはどのスタンスでもインサイドアウトのスイングで打てるようになりました。
オープンスタンスやスクエアスタンスで打つときは、以前より上体を深くひねって肩を入れ、インサイドアウトのスイングで打つようにしました。
最後に…
今のわたしは、クローズドスタンスを意識して打つことはありません。
浅いボールを打つときくらいでしょうか…
クローズドスタンスは身体を充分に回しても正面に向きづらいので、フォアハンドストロークで厚いグリップの方には向きません。
もし、フォアハンドストロークでグリップがそれほど厚くなく、ボールとの距離が近くなってしまう方やボールを打ったときの感触がよくない方はクローズドスタンスを試してみてください。
フォアハンドストロークでクローズドスタンスを使うときの注意点をまとめた記事もありますので、試す前にご一読ください。