こんにちは、リョウジです!
雁行陣から後衛がネットに移動することで作れる並行陣。
この記事では、並行陣の特徴について解説します。
また、並行陣のポジションや雁行陣との違いや共通点も書きましたので、並行陣の理解を深められるはずです。
テニスのダブルスの並行陣の特徴
並行陣の特徴を簡単にまとめると下記のようになります。
【並行陣の特徴】
- 相手ペアの時間を奪うことができる
- ペアでの役割分担は雁行陣と同じ
- 後衛もチャンスがあれば攻めに転じることができる
上記を解説していきます。
相手ペアの時間を奪うことができる
並行陣は2人でネットにつめて戦います。
相手ペアがボールを打った後、ボールをノーバウンドで返球する確率が上がるため、大幅に時間が短縮されます。
その結果、雁行陣より早くボールに触れるため、相手の時間を奪うことができます。
ポジションチェンジが必要なときも、ノーバウンドでボールをカットできれば相手ペアに長い時間を与えずに代われます。
ペアでの役割分担は雁行陣と同じ
並行陣のペアでの役割分担は雁行陣と同じです。
つまり、1人は攻撃を担当し、もう1人は守備を担当します。
ポジションも雁行陣と同様に前衛と後衛に分かれます。
後衛は守備を担当して、攻撃担当の前衛にチャンスが来るように配球します。
ここは雁行陣と同じですね。
後衛もチャンスがあれば攻めに転じることができる
並行陣では、後衛もチャンスがあれば攻めに転じることができます。
サービスライン付近にポジションをとっているため、ボールが甘ければネット前につめて攻撃を仕掛けることができます。(縦ポーチといいます。)
後衛がネット前につめて攻めに転じる代わりに、前衛がポジションを下げて守りを担当します。
2人のポジションが横に並ばないようにします。
テニスのダブルスの並行陣のポジション
並行陣の基本ポジションを下記の3つに分けて解説します。
【並行陣のポジション】
- 前衛のポジション
- 後衛のポジション
- ペアの位置関係
基本ポジションは、相手の後衛がベースラインとシングルスサイドラインの交差点あたりからボールを打つ場面を想定しています。
前衛のポジション
前衛のポジションは、サービスボックスの中央になります。
身体は、ボールが飛んでくる相手の後衛のほうに向けておきます。
雁行陣での前衛がサービスボックスの中央より1歩前なので、並行陣での前衛のほうがポジションが後ろになります。
後衛のポジション
後衛のポジションは、サービスラインの1歩前あたりになります。
クロスにいる相手の後衛からボールが飛んでくるので、センターラインとシングルスのサイドラインの中間より少し外側にポジションをとり、身体をその方向に向けておきます。
ペアの位置関係
前衛のポジションと後衛のポジションを見るとわかりますが、2人は並行には並べません。
並行陣の特徴にも書いたとおり、2人は前衛と後衛、すなわち攻撃役と守備役に分かれます。
もし、ペアが名前のとおり並行にポジションをとるとどうなるでしょうか?
2人が並ぶと2つのデメリットが発生します。
【並行陣でペアが並ぶデメリット】
- 役割分担ができない
- 2人の間にスペースができる
ペアが並ぶ1つ目のデメリットは、役割分担ができないことです。
2人がネットのそばにポジションをとってしまうと、守るプレーヤーがいなく、簡単にロブが抜けてしまいます。
逆に、2人がサービスライン付近にポジションをとった場合、頭上にくるロブには対応しやすくなりますが、ネットから離れているため攻撃できるチャンスを逃しやすいです。
ペアが並ぶ2つ目のデメリットは、2人の間にスペースができてしまうことです。
2人が並んでいると、ボールを打つ相手にはセンターが広く空いて見えます。
この状態だとセンターが抜きやすくなります。
2人がお見合いしてしまうリスクも高くなります。
2人が前後にポジションをとっていると、ボールを打つ相手にはセンターが狭く見えます。
センターにボールを打たれた場合、基本的には前にポジションをとっている前衛が打ちますが、仮に前衛が打てなくても2人がずれているため、後衛も返球が可能です。
つまり、2人が前後にポジションをとっていると、2人でセンターを厚く守ることができるのです。
並行陣も小さな雁行陣になるように、ペアでポジションを前後にとります。
並行陣と雁行陣では前衛と後衛それぞれ何が違う?
並行陣と雁行陣では前衛と後衛それぞれ何が違うか見てみます。(ポジションの違い以外です。)
前衛の違い
並行陣の前衛は、雁行陣の前衛に比べて下記の2点が違います。
【前衛の違い】
- 頭上に来たボールをある程度返球する必要がある
- ポジションを前後に動かない
並行陣の前衛では、頭上に来たボールをある程度返球できないといけません。
雁行陣では、前衛の頭上に来たボールを後衛に任せても、ベースラインにいるのでなんとかなっていました。
並行陣では後衛がサービスライン付近までポジションを上げているため、前衛が頭上に来たボールを返球できないと後衛の負担が大きくなってしまいます。
これでは並行陣をとる意味がありません。
ベースライン近くに落ちる深いロブであれば、前衛は後衛にボールをまかせますが、基本的には自分自身でとれるように守備範囲を広げておく必要があります。
もう1つ並行陣の前衛には違う点があります。
それは、ポジションを前後に動かないことです。
雁行陣では、味方の後衛がボールを打つときT字(サービスラインとセンターラインの交差点)まで前衛はポジションを下げ、相手の後衛がボールを打つときはサービスボックスの中央より1歩前につめました。
並行陣では、後衛がサービスライン付近までつめているため、雁行陣のように前衛が前後に動いている時間はありません。
ただし、ずっとサービスボックスの中央あたりに立っていればいいわけではありません。
例えば、相手の前衛がポーチを仕掛けてきたときです。
そのままのポジションにいると、至近距離からボールが飛んでくるので、危険の上に返球できません。
相手の前衛がネットにつめて攻撃する気配を感じたら、素早くT字のあたりまで下がります。(狙われやすいセンターを守るため。)
とはいえ、状況を見て一瞬の判断でポジションを下げるのはとても難しいです。
後衛の違い
並行陣と雁行陣の後衛では、使うショットが根本的に違います。
ポジションが違うので当然といえば当然ですが、下記の3つの場面すべてにおいて使うショットが違います。
【3つの場面すべてにおいて使うショットが違う】
- つなぐとき
- 攻撃するとき
- 前衛をカバーするとき
上記のどの場面でも、雁行陣はグランドストロークを使っていましたが、並行陣ではボレーやスマッシュを使います。
使うショットが大きく違う点が、並行陣をとる上での難しいところです。
ただ慣れれば、ノーバウンドで返球できる並行陣をとったほうが楽に感じるようになります。
テニスのダブルスの並行陣と雁行陣の共通点は?
上記の違いはあるものの、並行陣と雁行陣を使う上で変わらない点もあります。
【並行陣と雁行陣の共通点】
- 攻撃するときとつなぐときのコース
- 攻撃担当と守備担当がいる
- 前衛の頭上にボールが上がったときは声をかけあう
攻撃するときとつなぐときのコース
並行陣も雁行陣も、攻撃するときとつなぐときのコースは基本的に同じです。
攻撃するときは近くにいる前衛に、つなぐときは遠くにいる後衛に打ちます。
コースを打ち分けるときは、同じように考えれば大丈夫です。
攻撃担当と守備担当がいる
上の「並行陣の特徴」にも書きましたが、並行陣と雁行陣ともに攻撃担当と守備担当がいます。
そして、ポジションは違えど2人は並ぶことはなく、前に攻撃担当、後ろに守備担当のプレーヤーが立ちます。
前衛の頭上にボールが上がったときは声をかけあう
前衛の頭上にボールが上がったときは声をかけあうのも、並行陣と雁行陣の共通点です。
陣形の共通点というよりは、ダブルスの共通点ですね。
前衛が頭上のボールをどこまでカバーするかは並行陣と雁行陣で違いますが、2人のどちらがとるのか決める方法は同じです。
前衛が自らとるときは「はいっ!」と言い、後衛にまかせるときは「お願い!」と伝えます。
最後に…
並行陣で理解しておきたいことを、雁行陣と比較しながら解説しました。
並行陣の特徴やポジションを理解して、雁行陣との違いや共通点でさらに理解を深めてみてください。
雁行陣から並行陣に移行する上で必要な技術は、下記の記事で簡単にまとめています。