こんにちは、リョウジです!
わたしは学生のころ、ボールをスイートスポットでとらえられず、よくガシャっていました。
下から上にラケットを振っていて、ボールの当たりが薄くなっていたからです。
しかし、当時何がいけないのかもわからなかったわたしは、自分にこう言い聞かせました。
ボールの動きだけをよく見て、ボールを一生懸命追いかける。
他に見なくてはいけないものがあることも知らずに…
テニスでボールをよく見るのは大損!ボール以外に何を見る?
テニスでボールしか見ていないと、いろいろと損をします。
下記を見ることで、各ショットの精度が上がります。
- ボールの未来
- 自分の打点
- コート
- ネット
上記の中に普段見ていないものがあれば、今より確実にテニスはよくなります。
ボールの未来
動いているボールを眼で追い続けることよりも大切なことがあります。
それは、「ボールの未来を見る」ことです。
「ボールの未来を見る」とは、相手や自分が打ったボールの弾道やバウンド地点をあらかじめ予測することです。
ボールの弾道やバウンド地点を予測できれば、次に自分がやるべきことを先回りできます。
例えば、相手が打ったボールの弾道とバウンド地点を予測できれば、どこに打点をとったらいいか、ボールに入るためにどこに移動すればいいかが事前にわかります。
また、自分の打ったボールの弾道とバウンド地点を予測できれば、次のポジショニングに意識を向けられます。
打ったボールの行方が気になって、足が止まっていたら、「ボールの未来を見る」ように意識しましょう。
自分の打点
スイングを開始してからフォロースルーまで、「自分の打点」を見続けましょう。
スイング中に自分の打点を見続けると、頭の位置がある程度固定され、身体の軸を保てます。
もし、ボールを見続けてしまうと、打ちながら眼でボールを追ってしまいます。
その結果、スイング中に顔が回りやすくなります。
体の回転と一緒に顔が回ってしまうと、スイングにズレが生じます。
スイング中に「自分の打点を見続ける」のが難しいなら、逆に「ボールの行き先を見ない」ように意識するとうまくいく場合があります。
ボールコントロールが安定しない方は、スイングを開始してからフォロースルーまで「自分の打点」を見続けましょう。
コート
コートをちゃんと見ながらテニスをしている記憶はあまりないかと思います。
どちらかというと、ボールを見ながら周辺視野でコートを見ている感じでしょうか?
ただし、狙って打ったボールがコートのどこに落ちたのかは見ておきたいです。
コートの狙った地点と実際にボールが落ちた地点の誤差をフィードバックする必要があるからです。
この誤差をフィードバックすることで、コントロールの精度を上げられます。
もし、打ったボールがコートのどこに落ちたのかまったく見ていなかったら、ボールをうまくコントロールできたのかわからずに終わってしまいます。
ボールを打つ前には、どこを狙うのかターゲットを設定します。
しかし、狙うターゲットは実際に見る必要はありません。
狙うターゲットの位置をイメージしながら、ボールを打ちます。
例えば、ネット前でボレーを決めるときを考えてみてください。
失敗するときは、ボールを打つ前にターゲット(打ちたいところ)を見ていませんか?
うまくボレーできているときは、打つ前にターゲットを見ずにその位置をイメージしているはずです。
サーブだったら、最初に相手プレーヤーやコートを確認しながら、打つコースを決めることができます。
それでもサービスモーションに入ったら、打つコースはイメージすることになります。
ネット
コートだけではなく、ネットに関しても同様です。
打ったボールがネットのどれくらい上を通過したのかを見ておきましょう。
ネットは、打ったボールの高さを測る目じるしになります。
狙った高さと実際の高さとの誤差をフィードバックすることで、高さのコントロール精度を上げられます。
ボールを打つ前に、ネットを直接は見ません。
しかし、ネットのどれくらい上を通すのかをイメージして、狙って打つ必要があります。
そのために、自分からネットまでの距離とネットの高さを把握しておきましょう。
例えば、確実に相手コートに入れたいときは、ネット2つ分の高さを通すイメージで狙います。(人によっては、ネット3つ分かもしれませんが…)
ネットにいる相手の足元を狙いたいときは、ネットのギリギリ上を通すイメージです。
コートのターゲットの位置とネットのどれくらい上を通すのかをイメージできると、打ちたいボールの弾道が決まります。
テニスの試合に出るならこれも見ておきたい!ボール以外に見るもの【応用編】
ここからは、「ボール以外に見るもの」の応用編です。
テニスの試合に出るなら、ここまで見ておきたいです。
- テニスをする環境
- プレーヤー
- 自分自身
上記を見ることで、試合を優位に進める情報が手に入ります。
テニスをする環境
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インドアとアウトドアでもボールの見え方が違う
テニスを始める前から見ておきたいのが、テニスをする環境です。
テニスをする環境が変われば、それに合わせてプレーを変えていく必要があるからです。
例えば、下記の場合です。
- コートサーフェスが違う
- ボールが違う
- プレーヤーが違う
どれか1つでも違えば、それに対応する必要があります。
コートサーフェスが違うと、ボールがバウンドしたときの弾みがかなり違います。
ボールのメーカーや種類が違うと、打ったときの打感や飛距離が違います。
普段と違うプレーヤーと対戦するときは、当然飛んでくるボールが違います。
普段なら決まったと思ったボールが普通に返ってくる可能性もあります。
普段と違うプレーヤーと組むときは、守るエリアや役割が違ったりします。
いつもと同じテニス環境でも、油断はできません。
風が吹いているときと吹いていないときでは、ボールの弾道が違います。
もちろん、風上と風下でもプレーを変える必要があります。
コートが乾燥していればボールは弾むし、びしょぬれのコートであればボールは弾まず、水を吸って重くなります。
同じボールでも、新しいボールなのか使い古したボールなのかで、ボールの弾みや飛距離が異なります。
太陽がまぶしかったり、照明のまぶしさが違ったりすることもあります。
このように、ボールを打つ前からテニスの戦いは始まっているのです。
プレーヤー
テニスでは、相手もしくは味方のプレーヤーを観察する必要があります。
他のプレーヤーのポジションや体勢を見て、自分のポジションや打つボールが決まるからです。
例えば、下記のようなときです。
- 相手プレーヤーが体勢を崩して打っている
- 相手プレーヤーがセンターに寄っている
- 相手プレーヤーが深いボールを警戒している
- 相手の前衛プレーヤーがセンターに寄っている
- 味方の前衛プレーヤーがポーチに出た
他のプレーヤーを観察できていれば、それぞれ下記の判断ができます。
- 相手プレーヤーが体勢を崩して打っている → ボールが浅くなるのを見越してポジションを前にとる
- 相手プレーヤーがセンターに寄っている → 角度をつけて打つ
- 相手プレーヤーが深いボールを警戒している → ドロップショットで浅く打つ
- 相手の前衛プレーヤーがセンターに寄っている → ストレートにパス
- 味方の前衛プレーヤーがポーチに出た → 空いているサイドをカバーする
他のプレーヤーを見ていないと、上記の判断はできません。
また、他のプレーヤーの球種や配球、そして強みや弱みを観察することで、より適切な戦略を立てられます。
普段からプレーヤーを観察するクセをつけておきましょう。
自分自身
自分のプレーを客観視する
他のプレーヤーをよく見ていても、自分自身が見えていないと、適切な判断や戦略がとれません。
下記の2つができていると、適切な判断や戦略がとれます。
- 自分のできることとできないことを知っている
- 自分のプレーを客観視する
いくら相手プレーヤーを観察して戦略を立てても、自分ができないことをやるのでは逆効果です。
自分ができることの中で、相手に対して何が有効かを考える必要があります。
また、自分の感情の赴くままにプレーしていては、相手の思うツボです。
自分のプレーを客観視できると、冷静な判断を下しながら試合を進められます。
もちろん、相手を見ずに自分だけ見ているのもダメです。
相手(他プレイヤー)と自分の両方を見ることで、適切な判断や戦略が生まれます。
最後に…
ボールだけを見ていると、視野が狭まります。
ボールを見る以外に、こんなに見るものがあるのに…
どれもテニスの経験値を必要としますが、意識するのとまったく意識しないのとでは、その後のテニスの上達は変わってきます。
過去に戻れるなら、自分自身にこう言ってやりたい。
「一途にボールを追いかけるより、周りのものに目移りしてしまうほうがテニスはうまくなれるよ!」