「テニスでボールがアウトしてしまうのなぜだろう?大事なときにアウトしてしまう…」と悩んでいる方へ。
この記事を書いているわたしは、20年以上テニスに関わっており、テニス業界に10年くらい携わっていました。
コーチやストリンガーとしても活動し、空いた時間は草トーナメントに月8回ペースで出続けました。
その経験を元に、ボールがアウトしてしまう原因を解説します。
テニスでアウトしてしまう原因【打ち方・道具・環境別に考える】
ボールがアウトする原因はさまざまです。
原因は1つではないかもしれません。
その時々によって違う場合もあります。
ボールがアウトする原因がわかれば、その対処法も見えてきます。
本記事では、テニスでボールがアウトしてしまう原因を、大きく3つに分けて解説しました。
テニスでアウトしてしまう打ち方の問題
アウトしてしまう原因が打ち方の場合です。
打ち方を修正もしくは調整しないかぎりアウトし続けます。
下記のように打っていると、ボールがアウトする原因になります。
- ダウンスイングで打っている
- 厚い当たりで強く打ちすぎている
- ボールの軌道をイメージできていない
まずは、ダウンスイングで打っている場合です。
ダウンスイングを簡単にいうと、上から下にラケットを振ることです。
ボールの上からラケットが入り、ボールの下にラケットを振り抜くので、ボールにはアンダースピンがかかります。
ダウンスイングでもゆっくり打てば失速してコートに入りますが、強く打つとボールがホップしてアウトしやすくなります。
意識的にアンダースピンをかけているならいいですが、そうでないなら打ち方を変えていく必要があります。
次に、厚い当たりで強く打ちすぎている場合です。
ボールを後ろから前にしっかりとらえると厚い当たりになりますが、強く打った分だけボールは飛んでいきます。
必要以上に力が入ってしまうと、ボールがアウトしてしまいます。
最後に、ボールの軌道をイメージできていない場合です。
ボールの軌道をイメージせずに漠然と打ってしまうと、コントロールが安定せずボールがアウトしてしまうミスが出てきます。
テニスでアウトしてしまう道具の問題
打ち方に問題がないのに、ボールが肝心なときにアウトしてしまう場合、使っているラケットやストリング(張りの硬さも含めて)が合っていない可能性があります。
道具に原因があるかどうかは、いろいろなラケットやストリングを使っていないと気づきにくいです。
下記のような例が挙げられます。
- 力があるのにパワーが出るラケットを使っている
- 飛ばないラケットで一生懸命打っている
- ストリングが合っていない
- ストリングのテンションが合っていない
元々パワーがあるのに、パワーがあるラケットを使うとボールはアウトしやすいです。
特に、ボールをフラットでとらえて推進力のあるボールを打つ場合、パワーよりコントロール重視のラケットを選ぶことでアウトを減らせます。
逆に、飛ばないラケットで一生懸命打っていて、アウトしている場合もあります。
ボールを飛ばすことに一生懸命で、ボールをコントロールする余裕がない場合にアウトが多発します。
ストリングもラケットと同じように、ボールが飛ばないものから楽に飛んでいくものがあります。
やはり、合っていないストリングを使うとアウトのミスが増えやすいです。
ストリングの種類だけではなく、張りの硬さ(テンション)もアウトの原因になります。
適性テンションより低いと、ボールの飛距離は伸びてしまい、アウトしやすくなります。
道具に合わせてテニスを適応していけばアウトする原因にはなりにくいのですが、明らかに自分に合っていない道具を使ってテニスをするとアウトの原因になります。
テニスでアウトしてしまう環境の問題
打ち方や道具の問題をクリアしていればアウトは激減しますが、「今日はなんだかアウトが多いな」という日があったりします。
そんなときのアウトする原因は、テニスをする環境が普段と違う場合が考えられます。
例えば、下記のようなときです。
- 風が吹いている
- ボールが違う
- 相手の球威が違う
- コートサーフェスが違う
外でテニスをするときは、風の影響を考えてボールを打つ必要があります。
風上からボールを打つと、風の影響でボールの飛距離は伸び、アウトが多くなります。
ボールの違いでも飛距離は変わります。
普段ノンプレッシャーボールで練習していて、試合に出たときプレッシャーボールでテニスをすると、当然打感や飛距離が変わります。
メーカーが違うだけでも打感や飛距離は変わります。
相手の球威でも、ボールの飛びが変わり、アウトの原因になります。
特にいつも同じ相手と練習していると、その相手に合わせた力の出力でボールを打ち続けます。
普段と違う相手とテニスをすると、力の出力をうまく変えられずアウトしてしまいます。
コートサーフェスの違いでも、アウトの原因になります。
ボールがバウンドしたときの弾み方がコートサーフェスによって違うからです。
その弾みの違いに適応できないとボールをコントロールできません。
テニスでアウトしてしまうときの対処法
ボールがアウトする原因を大きく3つに分けて紹介しました。
アウトする原因がわかったら、それぞれの対処法について解説します。
アウトする原因が打ち方の場合の対処法
アウトする原因が打ち方の場合、下記のように打っているときでした。
- ダウンスイングで打っている
- 厚い当たりで強く打ちすぎている
- ボールの軌道をイメージできていない
ダウンスイングで打っている
ダウンスイングで打ってしまう原因は、打点とスイング方向にあります。
打点が身体に近く、ボールより上からラケットが入ってしまうと、ダウンスイングになりボールの下側をとらえてしまいます。
グランドストロークでも、オーバーヘッド系のショット(サーブやスマッシュ)でも同じです。
まず、打点を身体から離します。
ここが1番大事なところです。
そして、ラケットを身体の近くから遠くに向かって振るようにします。(インサイドアウトのスイングです。)
打点とスイング方向を修正できれば、自然とドライブ回転がかかり、コントロールが安定します。
厚い当たりで強く打ちすぎている
厚い当たりで強く打ちすぎてアウトする場合は、対処法が2つあります。
1つ目は、単純に力加減を調節する方法です。
飛距離を落とすために、フォワードスイングのスピードを緩めます。
フォワードスイングのスピードを緩めるためには、テイクバックの準備を早める必要があります。
フォワードスイングの開始を早めないと、ゆっくり振れないからです。
無駄に体力を消耗しなくて済む省エネな方法です。
2つ目は、スイングスピードは落とさず当たりを薄くする方法です。
ショットの威力をスピードから回転に変換します。
直線的な弾道が放物線を描くようになり、強くボールを打ってもコートに収まります。(打つ方角を変える必要があります。)
ボールを後ろから前にまっすぐとらえていたのを、縦回転(サーブやスマッシュは横回転でもOK)がかかるようにラケットを振ります。
ただし、打ち続けると体力を消耗します。
ボールの軌道をイメージできていない
ボールの軌道をイメージできていないということは、ボールをどこに打つか狙わずに打っているかもしれません。
ボールをどこに打つか狙うことで、実際に飛んだ場所との誤差をフィードバックできます。
コントロールの精度を上げるのに必要な作業です。
ボールの軌道をイメージするためには、コートのターゲット(落下地点)以外にネットの上のどこを通すかを考えるのがオススメです。
アウトする原因が道具の場合の対処法
ラケットが原因でボールがアウトする場合、まず自分に合った重さのラケットから選ぶようにします。
ラケットの重さを利用しながら、操作性で足を引っ張らない重さを見つけ出す必要があります。
成人の一般男性で300gくらい、一般女性で280gくらいが目安になります。
次に、自分のパワーに合ったラケット面の大きさとフレームの厚みを探します。
パワーがある方は、ストリングの本数が多いものも検討してみてください。
下記を頭に入れながら選んでみてください。
- ラケット面が大きいほどボールは飛ぶ
- フレームが厚いほどボールがとぶ
- ストリングが少ないほどボールが飛ぶ
ボールが飛ぶ変わりにコントロールがしづらくなります。
好みやプレースタイルによっても、自分に合ったラケットのスペックは変わるので、試打することをオススメします。
ボールを打つときに必要以上パワーをアシストしないラケットを選んで不必要なアウトは減らしましょう。
使っているストリングが飛びすぎる場合、太いゲージがあれば飛びを抑えることができます。
また、アウトしづらいストリングのテンションを探す場合、張り替えるたびにテンションを1、2ポンド変えながら探すのがいいと思います。
わたしは試合前張り替えるたびに、1ポンドずつテンションを上げて、アウトしないけれど失速しない理想のテンションを探しました。(もう1本のラケットはお試しのテンションが合わないとき用に現状でのベストテンションで張っておきます。)
道具を変えるときの注意点は、ラケット・ストリングの種類・ストリングの太さ・テンションをいっぺんに変えないことです。
どれか1つを変えるだけなら違いがわかりますが、まとめて変えてしまうと何が合っていて何が合っていないかがわかりづらくなります。
アウトする原因が環境の場合の対処法
アウトする原因が環境の場合は、普段からいろいろな環境でテニスをしていれば対応力がつき、自然と対応できます。
いつも同じ環境でテニスをしていると、環境の変化に対応しづらくなります。
環境に対応する例を挙げておきます。
- 風に対応したい→普段から外でテニスをする環境も作る
- ボールに対応したい→試合に使うボールで練習する
- 相手の球威に対応したい→いろいろなプレーヤーとテニスをする
- コートサーフェスに対応する→いろいろなコートでテニスをする
いろいろな環境でテニスができない場合は、「普段のテニス環境と今日のテニス環境は何が違うのか」を考えることが大切です。
環境の違いがわかれば、普段より強く打ったほうがいいのか、もしくは抑えながら打ったほうがいいのかが見えてきます。
以上、「テニスでアウトしてしまう原因【打ち方・道具・環境別に考える】」でした。