「何か健康にいいスポーツを始めたいんだけど、テニスはどうなのかな」と思っている方へ。
この記事を書いているわたしは、20年以上テニスに関わっています。
テニススクールには9校ほど通った経験があり、テニス業界に10年くらい携わってきました。
その経験を元に「テニスをすると健康になれるのか」書いています。
テニスをすると健康になれるのか?【身体は部分的に酷使される】
テニスをすると、コート中を走り回ることから心肺機能が上がり、ゲームをしながら楽しくカロリー消費ができると言われています。
ボールとラケットを扱うことから、細かい調整能力(コーディネーション)を訓練したり、バランス力や敏捷性などさまざまな能力も高められます。
一緒にテニスをする仲間とのコミュニケーションが人とのつながりを作り、精神面も充実。
テニスをしている人は長生きしやすいという研究結果も出ているくらいです。
「テニスをするといいことづくしじゃん!」と思ったかもしれませんが、実際のところどうなのでしょう?
長くテニスをしている方ならご存じかと思いますが、決していいことばかりではありません。
健康のためにテニスを始めようと考えている方に知ってほしいことを書いておきます。
テニスをすると身体は故障だらけになる
テニスをすると、身体のあちこちに故障をかかえます。
テニスは身体の特定の部分を酷使するからです。
テニスをしている人はどこかしら故障をしている場合が多いです。
テニスコートにいくと、サポーターを使って予防や痛みの軽減をしている人たちを見かけます。
テニスで故障した人の例を挙げておきます。(他にもあります。)
- テニスエルボー
- 手首・手のひらの炎症
- 肩が痛くて腕が上がらない
- 腰痛
- ふくらはぎの肉離れ
- アキレス腱の断裂
- 足首の捻挫
ラケットでボールを繰り返し打つため、肘が慢性的に痛いテニスエルボーをかかえている人が割と多いです。
治ったと思ったら、今度は手首が痛くなったりします。
故障したところをかばうと、違う箇所が故障してしまうことがよくあります。
また、急に動き出すと下半身の裏側の筋肉には大きな負担がかかり、肉離れを起こす危険もあります。
「テニスをしている友達はすごい若々しくて、そんなふうには見えないんだけど…」
確かにゲームを楽しんでいるテニスクラブの会員さんを見てみると、高齢の方でも元気に動いています。
その年齢とは思えない機敏な動きを見せる方もいます。
その一方で、身体の故障をかかえながらも、だましだましテニスを楽しんでいる方もいることを忘れてはいけません。
テニスをすること自体が、身体の特定の箇所に負担をかけ、身体をアンバランスな状態にしていきます。
テニスコーチの身体は歳をとるごとにボロボロになっていく
テニススクールのコーチはどうでしょう?
テニスコーチは効率のいいフォームを追求し、身体に負担が少ないフォームを生徒さんに指導します。
そんなテニスコーチでも、歳をとるごとに身体がボロボロになっていきます。
身体に負担が少ない動きを身につけても、テニスコートに立っている時間が長いです。
1時間半のレッスンを1日4レッスンやれば6時間です。
日によっては5レッスン、6レッスンと、もっとレッスン数をこなしているときもあります。
その時間中、ずっとボールを打っているわけではないですが、身体の負担はとても大きいです。
アウトドアのテニススクールであれば、日中はずっと紫外線にさらされます。
サングラスやソックスの跡がくっきりと残ります。
身体を故障してもなかなか休むことができないので、サポーターでガチガチに固めてなんとかレッスンをしていたりします。
若いころは何も気にしなくても、ベテランのコーチになるにつれ、身体のケアについて考えるようになります。
少しでも長くコーチ業を続けるために…
テニスコーチはタフな人が多いですが、決して健康な人たちとはいえません。
テニスをすると精神面が充実するのは事実
テニスをする悪い面を書いてきました。
わたし自身もいろいろな箇所を故障し、そのたびに整骨院へ通う日々を送っています。
テニスをすることで身体のあちこちを故障してきましたが、精神面においてはテニスをすることに大きな効果を感じています。
自信を持って言えること。
それは「テニスをすると精神面が充実する」ということです。
わたしはそのことを身をもって知りました。
身体を動かす喜び、ボールを打つ気持ちよさ、ボールに追いつく達成感、ポイントを競い合う楽しさが普段の生活で蓄積されているストレスを解消してくれます。
わたし自身、毎日テニスをしているときは当たり前すぎて、そんなふうには感じませんでした。
「テニスをすると精神面が充実する」と気づいたのは、テニスを長い間お休みしたときでした。
テニスをしなくなり、普段の生活に心が少しずつ病んでいく時期がありました。
何をするにも無気力になってしまい、ずっと寝ていたいと思うようになっていました。
そんな自分が再びテニスをしたとき、心が軽やかになっていくのを実感しました。
週に1回テニスをするだけで、日常生活でのたまったストレスをかなり解消してくれるはずです。
ストレス解消にテニスはオススメです。
どんなことに気をつけてテニスをしたらいいか【健康を維持するために】
心だけではなく、身体の健康も維持するためにテニスをする場合、どんなことに気をつけたらいいでしょうか?
適切な道具で適切な打ち方を身につける
身体を故障しないようにするには、まず自分に合ったラケットとストリングを使用します。
自分に合わない道具を使うと、身体に負荷をかけることになります。
特にラケットの重さやストリングのテンション(張りの硬さ)は重要です。
最初どんなラケットやストリングを使ったらいいかわからないと思いますので、コーチに聞いてみましょう。
そして、快適な打点で無理のない大きさのスイングを身につけます。
テニスを始めたばかりではわからないことなので、素直にコーチのアドバイスを聞くのがいいと思います。
もし、ボールを打っていてなんだか気持ち悪いと感じたら、明らかに何か問題があります。
自分自身がどう感じるかも気に留めておく必要があります。
道具や打ち方に問題があると、1打1打は小さな負担でもいずれ蓄積されると大きな故障につながります。
テニスする頻度や時間をコントロールする
とても難しいのですが、テニスで身体を故障しないようにするには、テニスする頻度や時間をコントロールする必要があります。
なぜ難しいかといえば、テニスは熱中しやすいスポーツだからです。
時間を制御するのは本当に難しいです。
生活の中に、適切な頻度と時間でテニスが取り入れられるのがベストです。
長い時間テニスをやってしまったら、その分身体に修復する時間を与えられると少しはマシになります。
その際は、アミノ酸のサプリメントをとって身体のリカバリーを早めるのがオススメです。
テニスでケガをしない身体づくりをする
そして、最後にテニスでケガをしない身体づくりをすることです。
「健康になるためにテニスをするのに、さらに身体のメンテナンスをしないといけないの?」と思うかもしれません。
でも、長くテニスをしたいなら必要なことです。
テニスをするだけでは、ケガをしない身体は作れません。
わたしは、ケガをしてテニスから離れていく生徒さんをたくさん見てきました。
だから、ケガの予防や再発防止のために、テニスでケガをしない身体づくりを強くオススメします。
下記の2点をやればとりあえずOKです。
- ストレッチで身体の柔軟性を高める
- 負担がきやすい弱い筋肉をトレーニングする
テニスでは特に股関節回りの筋肉をやわらかくしておくと、広いスタンスからの長い体重移動ができ、ケガも防止できます。
テニス専用ではありませんが、少ない種目で続けやすいレジェンドストレッチをオススメします。
硬くなりやすい下半身の筋肉にしぼってストレッチができます。
あとは、ケガをしたときに弱い筋肉が見つかりますので、再発防止のためにも弱い筋肉のトレーニングが必要になります。
長くテニスをしていくと、よく故障する箇所が出てくるので、自分に必要なトレーニングも見えてきます。
長くテニスができる身体が作れたら、間違いなく健康に近づいています!
テニスを始めたいと思ったら、まずはお近くのテニススクールの体験レッスンを受けてみてください!