こんにちは、リョウジです!
「打ちたい打点でボールをとらえられない…」
そんな悩みがある方向けに、近くからの手出しまたはラケット出しのグランドストロークドリルを紹介します。
このドリルを行うと、フットワークを使って自分の打点で打てる場所に入れるようになります。
一定の高さ、決まった位置で打てるようになると、再現性の高いスイングが身につきます。
「打点に出した手でボールをキャッチしてから打つドリル」のやり方
右利きの場合で説明します。(左利きの場合は左右逆になります。)
まずはグランドストロークの動きを2つに分解します。
【グランドストロークの動きを分解する】
- ボールとの距離をとる
- 打点で打つ
2つに分解することで、それぞれの習得できるスピードが上がります。
ボールとの距離をとる
まずは、ボールとの距離をとることに集中します。
打点に伸ばした手で、ボールをキャッチします。
フォアハンドストロークでボールをキャッチする場合は、左手を打点の位置に伸ばします。
ラケットはテイクバックしておきます。
【前方若干左方向から】
球出ししてもらったボールを、出してある左手でキャッチします。
必要であれば、ボールの弾道を予測して、バウンド後ボールが頂点になる高さに、左手の位置を微調整してからキャッチします。
バックハンドストロークでボールをキャッチする場合は、両手打ちの場合も片手打ちの場合も、右手を打点の位置に伸ばします。
両手打ちバックハンドストロークと片手打ちバックハンドストロークの打点の位置が違うので、右手を伸ばす方向も違います。
両手打ちバックハンドストロークは身体から横方向に遠くなり、片手打ちバックハンドストロークは身体の前方向に遠くなります。(両方とも打ちたい方向の左斜め前側に右手を伸ばすことには変わりませんが…)
【前方若干右方向から】両手バックの打点は横方向に遠くなる
【前方若干右方向から】片手バックの打点は前方向に遠くなる
左手で、ラケットはテイクバックしておきます。
両手打ちの場合はグリップを握って、片手打ちの場合はラケットのスロートを持って、テイクバックします。
そして、球出ししてもらったボールを出してある右手でキャッチします。
必要であれば、ボールの弾道を予測して、バウンド後ボールが頂点になる高さに右手の位置を微調整してからキャッチします。
打点で打つ
次は、打点に落としたボールをまっすぐ打つ練習です。
打点の位置でキャッチしたボールを地面に落として、ワンバウンドさせてから打ちます。
【後方から】
キャッチしたボールを地面に落とすと、ボールは元の高さまで弾まないことに注意してください。
ボールをキャッチした高さよりも少し低い打点で打つことになります。
バックハンドストロークではボールを落とした後、すぐに右手はグリップを握りスイングに入ります。
【後方から】両手バック
【後方から】片手バック
「打点に出した手でボールをキャッチしてから打つドリル」の注意点
このドリルはやり方を間違えると効果がありません。
動作をごまかさず、正しいやり方で練習する必要があります。
注意点が多い、難しいドリルでもあります。
注意点は下記のとおりです。
- 打点をボールが一瞬止まる頂点に設定する
- 手の位置を変えながらボールをキャッチしない
- 打点の位置を正しく把握してその位置に手を出していないと意味がない
打点をボールが一瞬止まる頂点に設定する
打点をボールが一瞬止まる頂点に設定する必要があります。
ボールが一瞬止まる頂点が、ラケットでとらえやすく、ボールもキャッチしやすいからです。
下に落ちていくボールは打点がズレやすく、キャッチもしづらいです。
手の位置を変えながらボールをキャッチしない
ボールの弾道を予測しながら、足を細かく動かし、手の位置を動かさずに打点の位置でボールをキャッチするのが正しいやり方です。
ボールがバウンド後トップ(頂点)になる高さを予測して、事前に手の高さを調整するのはOKです。
ただし、ボールの動きに合わせて、手を動かしながらキャッチしてしまうと、打点に入る練習になりません。
ボールの近くまで来たら、スクエアスタンスをとり、シャッフルステップ(細かいサイドステップ)でボールとの距離を微調整します。
打点の位置を正しく把握してその位置に手を出していないと意味がない
手を出す位置を間違えたままボールをキャッチすると、正しい打点に入る練習にはなりません。
一度打点にラケットを出してみて、正しい打点の位置を把握してから、そこに手を伸ばすようにします。
「打点に出した手でボールをキャッチしてから打つドリル」をした後に気をつけること
このドリルから通常のグランドストローク練習に戻るとき、気をつけてほしいことがあります。
このドリルを練習している最中は、腕を打点の方向に出しているため、その間ショルダーターンが甘くなります。
肩甲骨を引っ張るような感覚が、このドリルでは感じられません。(バックハンドストロークで右手がグリップを握ったときは感じられます。)
通常のフォアハンドストロークでは左肩甲骨が背骨から離れるようにします。
通常のバックハンドストロークでは右肩甲骨が背骨から離れるようにします。
特に、フォアハンドストロークでは左腕をこのドリルのように右斜め前に出すのではなく、右方向に出して肩越しでボールを見るようにします。(左上腕からボールを見ていればOKです。)
実際には、このドリルのように左手を打点には出しません。
左手を、ボールとの距離をとるアンテナとしては使いません。
「打点に出した手でボールをキャッチしてから打つドリル」を行う理由を説明する必要がある
このドリルは、かなり縛りの多い練習です。
このドリルを行う理由をきちんと説明しておかないと、普通にボールを打ちたい生徒さんにはかなりストレスが溜まります。
飛んできたボールを普通に打ち返したいのに、わざわざ自分の手でキャッチして、自分の手から落としてボールを打たなければいけません。
同時に行うと難しい動作を、自分の打点に入る練習と自分の打点で打つ練習に分けることで、簡単な動作にしてそれぞれを習得します。
また、このドリルを複数人で行うと練習する人の回転が非常に遅くなります。
ボールをキャッチしてから自分で落として打つので、1球打つだけでも時間がかかります。
気持ちよくボールを打ちたい人はイライラしてしまいます。
回転が早い球出し練習などで生徒さんを動かしてから、休憩を兼ねてゆっくりこのドリルをやるのがいいと思います。
もしくは、真夏にゆっくり基本練習をするときのドリルとして使えます。
最後に…
このドリルで、ボールとの距離をとるフットワークと打点に来たボールをまっすぐ打てる技術を身につけたら、いつもどおりボールを打ってみてください。
フォワードスイングを開始するタイミングを間違えなければ、適切な打点でボールが打てるはずです!