こんにちは、リョウジです!
エクストリームウエスタングリップはどんなグリップでしょう?
エクストリームウエスタングリップは直訳すると極端なウエスタングリップです。
エクストリームウエスタングリップの由来と特徴について紹介します。
エクストリームウエスタングリップの始まりはアルベルト・ベラサテギ
1994年のフレンチオープン男子シングルスで準優勝したアルベルト・ベラサテギ(スペイン)が極端に厚いウエスタングリップで打っていたため、彼のフォアハンドストロークのグリップをエクストリームウエスタングリップと呼ぶようになりました。
アルベルト・ベラサテギの個性的なグランドストローク
アルベルト・ベラサテギが活躍する以前にも同じくらい厚いグリップは存在していましたが、彼の個性的なテニスがエクストリームウエスタングリップの呼び名を広めました。
ほとんどのボールをフォアハンドストロークで回り込み、極厚グリップで強力なトップスピンを放ちます。
フォアハンドストロークの高速スイングで、ノータッチエースを量産しているアルベルト・ベラサテギを初めて見たときは衝撃が走りました。
当時のグランドストローカーでハードヒッターと言えば、野球打ちのジム・クーリエ(アメリカ)でしたが、アルベルト・ベラサテギのハードヒットするボールには大量のスピンがかかっており、明らかに2人の球質は違っていました。
バックハンドストロークでは、フォアハンドストロークと同じグリップ(ひっくり返すとバックハンドイースタンとコンチネンタルグリップの間のハンマーグリップ)のまま右手は握り、両手打ちでスタートします。
スイング中、左手をグリップから離して、インパクトでは右手のみの片手打ちになる独特なバックハンドストロークを打っていました。
アルベルト・ベラサテギはハンマーグリップで握っていた
アルベルト・ベラサテギは、フォアハンドストロークをハンマーグリップで握っていました。
おそらく手のひらの人差し指の付け根はグリップの6の面に、小指球(しょうしきゅう)と呼ばれる小指側の手のひらの下の部分はグリップの5の面に接しているのではないかと考えられます。
人差し指の付け根はウエスタングリップで接するグリップ5の面よりさらに厚い6の面で接していますので、非常に厚い握りに見えます。
しかし、小指側の手のひらの下の部分は、ウエスタングリップと同じグリップ5の面で接しています。
ハンマーグリップについては下の記事をご覧ください。
時代とともに極端に厚いグリップの使用者は減っている
現代のテニスでは厚い当たりで攻撃できることが必須のスキルですが、当時はトップスピンをかけることが必須のスキルとされていました。
特にクレーコートスペシャリストはグリップが厚く、ヘビートップスピンをかけてミスの少ないグランドストロークを打ち続けました。
今もエクストリームウエスタングリップと同じくらい厚いグリップで打っている方はいます。
高い打点でトップスピンをかけやすいメリットがある半面、厚い当たりで打ちたいときにも順回転をともない、スピードが失速していくデメリットがあります。
直線的なボールで攻撃することが必要な現代では、アルベルト・ベラサテギが活躍していた時代より、極端に厚いグリップの使用者は減っています。
最後に…
エクストリームウエスタングリップは、コンチネンタルグリップやウエスタングリップのような正式のグリップ名称ではありません。(テニスの実用書にもこのグリップ名はありません。)
ですが、アルベルト・ベラサテギの活躍で、ときおりエクストリームウエスタングリップという言葉を聞くようになりました。
当時、彼のプレーをテレビで見ていた方なら、エクストリームウエスタングリップと聞くと、アルベルト・ベラサテギを思い出すのではないでしょうか?