「ラケットを振るたびに手首に負担がかかってる気がするんだけど、どうしたらいい?」
「手首の痛みを和らげるストレッチやエクササイズって何かある?」
これらの疑問や悩みを解決する記事です。
本記事を読み終えると、手首の痛みの原因や症状を理解し、実践的な対策を知っている状態になります。
これにより、テニスを安全に楽しむための具体的な方法を学び、安心してプレーに集中できるでしょう。
- 手首を痛めたときの症状と原因
- 手首の怪我の種類
- 手首の治療と回復方法
- 手首の怪我の予防法
- サポーターの選び方とテーピングの固定法
- 日常生活での注意点
テニスで手首を痛めたときの症状と原因
テニスを楽しむ中で、手首の怪我は避けられないリスクの一つです。
手首を痛めた場合、適切な対処が必要になります。
このパートでは、手首を痛めたときに現れる症状と、その主な原因について説明します。
手首を痛めたときの症状
手首を痛めた際には、以下のような症状が見られます。
- 握力の低下
- 手首の動きに制限が生じる
- 腫れや痛み
- 手首をひねる動作や手をつく動作で痛みが発生
- 手首の動きに伴う違和感や不快感
手首に怪我を負うと、日常生活でよく使う動作が難しくなります。
具体的には、ペットボトルを開ける、ドアノブをひねるといった動作で痛みが出たりします。
これらの動作は手首をひねる動きが含まれており、炎症や腱の損傷が原因で痛みが発生します。
転んだときに手をつくといった動作をする際にも、痛みが生じることがあります。
手首を支える筋肉や腱に過度な負荷がかかると、痛みや不快感が強まります。
この症状は、スポーツ活動を困難にさせる要因となります。
手首を痛める主な原因
手首を痛める原因は多くありますが、主に以下の点が挙げられます。
- 【過度の使用】
- テニスのような繰り返しの動作を伴うスポーツでは、手首の過度の使用が怪我の主な原因となる。正しいフォームでは、腕全体を使い、手首への負担を分散させることが重要。
- 【転倒時の衝撃】
- 試合中や練習中に転倒した際に手をつくと、手首に強い衝撃が加わり、捻挫や骨折のリスクが高まる。
- 【慢性的な負荷の蓄積】
- 長時間の練習や試合で同じ動作を繰り返すと、手首に慢性的な負荷が蓄積され、腱の炎症を引き起こす可能性がある。
- 【不適切な用具の使用】
- ラケットの硬さやガットのテンションが適切でない場合、手首への負担が増加し、怪我のリスクが高まる。
- 【グリップの問題】
- 不適切なグリップの握りも手首の怪我の原因となる可能性あり。
手首の怪我の主な種類|主な2つの疾患
テニスは手首を酷使するスポーツであり、手首の怪我はプレーヤーにとって深刻な問題となり得ます。
特に、腱鞘炎とTFCC損傷はテニスでよく見られる主な手首の疾患です。
それぞれの疾患の特徴について詳しく説明します。
腱鞘炎
腱鞘炎はテニスをする際によく発生する怪我の一つで、尺側手根伸筋という手首を伸ばす筋肉の腱に炎症が生じる疾患です。
腱鞘炎になると、手首の動きが制限され、痛みや腫れが発生します。
腱鞘炎は、手首のインパクト時に手首だけを過度に使用することや、慢性的な負荷の蓄積によって起こります。
TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)
TFCC損傷は、手首の小指側にある三角線維軟骨複合体という組織が損傷する疾患です。
この損傷により、手首に痛みや不快感が生じることがあります。
- 手首の小指側に鋭い痛みや不安定感が出現する
- 手首を小指側に曲げたり、その部位を押さえると痛みが出現する
- 包丁を持つような手の構えをしたり、手首を捻ったりする時に症状が出やすい
TFCC損傷は、手をついて転倒し、強い捻じれと背屈(手の甲を反ること)が強制されて急激な負荷がかかることが主な原因です。
テニス以外だと、野球のバッティング、ゴルフスイング、バドミントンといったラケット競技で好発します。
手首の治療と回復方法
テニスで手首を痛めてしまった場合、早期に適切な治療を行うことが大切です。
特に、怪我の種類に応じた適切なケアを行うことで、回復を促し再発を防ぐことができます。
このパートでは、手首の治療方法と回復のためのアプローチについて説明します。
保存療法
多くの手首の怪我は、まず保存療法から始めます。
- 【安静と活動の修正】
- 痛みを引き起こす動作や活動を避ける。
- スポーツ活動を一時的に中止する。
- 【サポーターや装具による固定】
- 特にTFCC損傷の場合、サポーターや装具による固定が重要。
- 手首の動きを制限し、日常生活での負担を軽減。
- 場合によっては肘上までの固定が必要な場合もある。
その他、炎症を軽減させるアイシングや、痛みが日常生活に支障をきたす場合などには薬物療法が使われます。
重症の場合は手術が必要となることも
手首の怪我が重症である場合、サポーターや安静だけでは不十分なこともあります。
このような場合は、手術が必要となることも考えられます。
手術は、損傷した組織を修復し、機能を回復するために行われます。
手術後にはリハビリが必要となり、医師の指導のもとで慎重に進めていくことが求められます。
回復の見通しと注意点
手首の怪我は、適切な固定と安静によって回復できることが多いです。
特に軽度から中程度の怪我では、適切な保存療法で多くの場合改善が期待できます。
無理な動きを避け、手首をサポートしつつ休息を取ることが必要です。
これにより、炎症が治まり、手首が自然治癒力によって回復する時間を確保します。
手首を痛めたときは、以下に気をつけましょう。
- 早期の医療機関受診が重要
- 自己判断での過度な安静や早期復帰は避ける
- 医師や理学療法士の指導のもと、段階的に回復を進める
手首の怪我の予防法 | リハビリしてから復帰しよう
手首が適切な固定と安静によって回復できても、油断は禁物です。
安静にしている間、使っていない手首周りの柔軟性や筋力は落ちています。
そのままテニスに復帰すれば、再発してしまい、クセになりかねません。
テニスでは手首に負担がかかりやすいため、怪我を防ぐためのリハビリと予防策をしっかりと理解し、実践することが重要です。
以下に手首のリハビリと予防方法について説明します。
手首のストレッチを入念に行う
手首の怪我を防ぐための基本的な対策として、ストレッチが挙げられます。
ストレッチは手首の筋肉を柔軟にし、過度な緊張や硬直を防ぎます。
安静にしていた手首の筋肉は、可動域が狭まっているのでリハビリが必要です。
まずは、ストレッチをして可動域を回復させましょう。
- 【手の背屈筋群】
- 伸ばすほうの腕を前に伸ばして、手のひらを上に向ける。もう片方の手で、手の甲を手前に向けて引く。15〜30秒伸ばす。
- 【手の掌屈筋群】
- 伸ばすほうの腕を前に伸ばして、手のひらを下に向ける。もう片方の手で、手のひらを手前に向けて引く。15〜30秒伸ばす。
リハビリするならザムストチャンネルの動画がおすすめ⬇︎
筋力を回復させるトレーニング方法
次に、衰えた筋力を回復させるリハビリを行います。
手首の筋力を強化することで、衝撃に対する耐性が増し、怪我をしにくくなります。
- 【手首が動かせない段階】
- 軟式テニスボールなどを手の指で掴むトレーニングなどを行う。
- 【手首の動きが可能になったら】
- 軽いダンベルやゴムバンドを使用した手首の曲げ伸ばし運動(リストカール、リバースリストカール、リストローテーションなど)を行う。
手首が動かせない段階では手のトレーニング⬇︎
手首の動きが可能になったら、前腕・肘のトレーニング⬇︎
ダンベルやゴムバンドがなくても、500mlのペットボトルがあればOKです。
適切なラケットとガットのテンションを選択
使用するラケットとそのガットのテンションは、手首にかかる負担に大きな影響を与えます。
適切な選択をすることで、無理な力が手首にかかることを防げます。
自分に合ったラケットを選べば、プレー中の衝撃が適切に吸収され、手首にかかる負荷が軽減されます。
ガットのテンションも、適度に調整することでプレーの快適さが向上し、手首へのストレスが軽減されます。
サポーターで手首を固定する
激しい試合や練習の際には、サポーターで手首を固定することが有効です。
サポーターを使用することで、手首を過剰な動きから保護し、怪我の予防につながります。
急な衝撃や無理なひねり動作から守ってくれるので、試合や練習で手首に不安を感じたとき、サポーターを使って安全なプレーを心がけましょう。
フォームの修正
手首の怪我は、不適切なフォームが原因である場合が多いです。
手首だけに頼るフォームを避け、腕全体を使ったフォームを身につけることが重要です。
また、体幹の柔軟性、肩関節の柔軟性、肩の可動域にも注意することで、手首の痛みの再発防止につながります。
手首を守るサポーターとテーピング
テニスでは手首に大きな負荷がかかるため、怪我を予防するためには適切なサポートが必要です。
サポーターやテーピングは、手首を固定し安定感をもたらすアイテムとして非常に有効です。
これにより、手首への過剰な負担を軽減し、怪我のリスクを下げることができます。
手首サポーターの選び方とおすすめ商品
手首サポーターには、さまざまなデザインや機能があり、あなたのニーズに合った選択が可能です。
選び方のポイントを押さえて、自分に合ったサポーターを選びましょう。
- 【素材と快適さ】
- 手首に直接触れるため、通気性があり、肌触りの良い素材を選ぶ。
- 【サポート力】
- 怪我の予防目的か、怪我後のリハビリかによって、固定力を調整できるタイプを選ぶことが望ましい。
- 【フィット感】
- サイズが合っていないと効果が半減するため、サイズをよく確認する。
手首のサポーターでおすすめなのは、多くのスポーツ選手が愛用しているZAMSTの商品です。
ZAMSTは、手首を痛めた方向けだと3種類のサポーターをラインナップしています。
- リストラップ
- リストバンド(厚生地)
- FILMISTA WRIST(薄生地)
リストラップ
片手ですぐつけられるサポーターなら、親指に引っかけて巻く「リストラップ」がおすすめです。
親指に引っかけるのが気にならなければ、脱着がストレスになりません。
サイズはM(手首の太さ13〜17cm)とL(手首の太さ15〜21cm)があります。
- 親指にひっかけるのが少し気になる
- つけやすいので億劫にならない
- 親指に引っかけているのでズレにくい
- 締めつけも調整しやすい
- しっかり固定するのにも緩めに使うにもいい感じ
リストバンド
手首をがっちりと固めたい方は、「リストバンド(厚生地)」がおすすめです。
ツインストラップ構造で圧迫力の微調整がしやすいサポーターです。
固定力が高いため、良くも悪くも背屈や掌屈など手首の動きがかなり制限されます。
サイズはM(手首の太さ13〜17cm)とL(手首の太さ17〜21cm)があります。
- 2つのベルトでがっちり固定できる
- 固定力は3種のサポーターの中で一番強い
- テニスをしているとき手首が動かしにくい
- グリップが薄めで、テニスで手首を深く曲げる必要がない方なら合いそう
FILMISTA WRIST
テニスをするとき、手首をほどよく固定したい方には、FILMISTA WRIST(薄生地)がおすすめです。
ウレタンフィルム素材を採用することで、薄い・軽い・強いサポートを実現した新世代サポーター。
サイズはM(手首の太さ13〜17cm)とL(手首の太さ17〜21cm)があります。
テーピングよりソフトに固定してくれるため、日比野菜緒プロもテニスでよく使っているそうです。
- ソフトだがピッタリくっつく感じ
- 2つのベルトで緩くもできるし、しっかり固定もできる
3つのサポーターを比較表でまとめましたので、参考にしてみてください。
つけやすさ | 固定力 | 動かしやすさ | |
---|---|---|---|
リストラップ | ◎ | ◯ | ◯ |
リストバンド | ◯ | ◎ | △ |
FILMISTA WRIST | ◯ | ◯ | ◎ |
テーピングによる固定法とその効果
手首の動きを制限しながらサポートするために、テーピングも有効な方法です。
特に練習や試合中に素早く対応したい場合には、テーピングを利用すると良いでしょう。
- 【下準備】
- 手首を清潔にし、汗や油分を拭き取る。
- 【テープの位置】
- 手首の周りに巻くことで、手首の動きを抑える。
- 【圧の調整】
- 圧が強すぎると血行を阻害するので、程よい締め付け具合に調整する。
下の動画はTFCC損傷だった場合のテーピング方法で、小指側に曲がらない巻き方がわかります。
動画のテーピング方法は、下記の流れになります。
- 50mmのキネシオテープを20cmで切る
- 手首をまっすぐにした状態で手の甲側の手首から貼っていく
- 手首の親指側にテープをつける
- ここから手首を小指側へ引っ張らずに巻いていく
- 手首側のところまできたら、テープを引っ張ってテンションをかけながらクルッと手のひら側に巻いていく。
- 親指の方向に向かって、軽めに引っ張りながらテープを貼る。
- 2枚目は25〜30cmくらいで切る。
- 手のひらの小指側のヒールに貼る。
- テープを斜めにしながら螺旋状に貼る。
- 親指の方向に向かってテープを軽く引っ張りながら貼る。
- 親指側のところまできたらしっかりテープを引っ張ってテンションをかけて腕にグルっと巻く。
- ここからは軽く引っ張りながら腕にテープを巻く。
- 最後は引っ張らずに貼る。
テーピングによって手首を適度に固定することで、無理な動きを抑え、怪我を予防することができます。
さらに、痛みがある場合にもサポート効果があり、手首の動きが制限されることで回復を助けます。
上の動画を試すなら50mmのキネシオテープ⬇︎
日常的な注意点 | 手首を気にせずテニスを楽しむために
テニスを楽しむためには、手首の健康を守ることが非常に重要です。
手首の怪我は予防と適切なケアによって防ぐことができ、痛みや負担を最小限に抑えることで、長くテニスを続けることができます。
このパートでは、手首を守るための日常的な注意点を紹介します。
練習量は詰めすぎず適度な休憩を取る
手首を痛めないためには、練習量を適切に管理することが必要です。
過度な練習は手首に余分な負荷をかけ、怪我のリスクを高めます。
連続して練習を行うのではなく、適度な休憩をはさむことで手首を守りましょう。
休憩を取ることは、筋肉や腱の回復を促し、手首への負担を軽減します。
手首に負担がかかる場合はサポーターかテーピングを着用
手首への負担が大きいと感じたときは、サポーターかテーピングを使用することをおすすめします。
サポーターまたはテーピングは手首を固定し、安定感を与えることで手首への衝撃を和らげ、怪我のリスクを減らします。
特に、長時間の練習や試合中にはサポーターの着用やテーピングの固定が効果的です。
前腕・手首のストレッチやマッサージによる疲労回復
練習や試合の後、手首の筋肉が疲労した状態を放置すると怪我につながる可能性があります。
これを防ぐためには、前腕・手首のストレッチやマッサージを行い、筋肉の疲労を回復させることが重要です。
これにより、筋肉をほぐし、血行を促進して疲労を和らげます。
症状が重い場合は早めに医療機関を受診
もし手首の痛みや腫れがひどくなったり、手首の痛みが続く場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
早期の診断と適切な治療を受けることで、怪我の悪化を防ぎ、回復を早めることができます。
専門の医師に相談することで、適切なアドバイスや治療を受けることができます。
まとめ
最後に、まとめておきます。
- 過度の使用・転倒時の衝撃・慢性的な負荷の蓄積・不適切な用具・グリップの握り方が手首を痛める原因。
- テニスでよく見られる2つの主な手首の疾患は、腱鞘炎とTFCC損傷。
- 手首の怪我は早期対応が大切で、サポーターや安静で回復を促せる。
- テニスに復帰する前に、適切なリハビリと予防法を取り入れる。
- 手首を守るために、サポーターやテーピングを活用する。
- テニスを長く楽しむために、適度な休憩、サポーターやテーピングの利用、ストレッチやマッサージのケア、早期受診を心がける。
よくある質問
- Q 手首が痛くなったらすぐに医者に行くべきですか?
- A
軽い痛みなら、まずは安静にして、アイシングやサポーターで様子を見ましょう。しかし、痛みが続いたり悪化した場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。適切な診断と治療で早期回復を目指しましょう。
- Q ラケット選びで注意すべき点は?
- A
ラケットの重さ・フェイス面積・フレームの厚み・ガットの太さやテンションが手首に影響します。自分に合ったスペックのラケットを選び、ガットの太さやテンションはボールの飛び具合で判断します。担当コーチに相談するのもおすすめです。
- Q テニス肘と手首の痛みの関係性は?
- A
テニス肘の痛みは、肘の外側から始まりますが、前腕や手首にまで広がることがあります。これは、肘の痛みが原因で手首の動きに制限が生じ、結果として手首にも負担がかかるためです。