「テニスの初心者がホームランをなくすにはどうしたらいい?」
「ホームランを減らす練習メニューを知りたい!」
これらの疑問や悩みを解決する記事です。
テニスを始めたばかりだと、ボールを打つたびに「ホームラン」になって、かなりへこみます。
本記事を読めば、テニスでホームランになる原因や解決法がわかり、次にどんな行動をとればいいかわかるでしょう。
また、ボールをコートに収めるには、多くの要素が絡み合っていることに気づきます。
- テニスでホームランが起こる原因
- 初心者がホームランをなくす方法
- ボールをコートへ入れる具体的な対策
- ホームランを減らす練習メニュー
テニスでホームランが起こる原因
テニスでホームランというと、フェンスを越えるような大きなアウトを意味します。
テニスでホームランになるのは、利き手側で力が入りやすいフォアハンドストロークのときが多いです。
野球と違い、テニスでホームランを打ってしまうと、ボールを紛失したんじゃないかとヒヤッとしてしまいます。
テニスでホームランが起こる主な原因は、下記のとおりです。
- ラケット面の向きとラケットの軌道
- 力加減と振り出すタイミング
- 足の位置とボールとの距離感
ラケット面の向きとラケットの軌道
テニスでホームランが起こる原因の1つは、ラケット面の向きとラケットの軌道が適切でないためです。
ボールがラケットに当たったとき(以後、インパクトと呼びます)、ラケット面が上向きになっていると、ボールは高い弾道で飛んでいきます。
その上向きの面で、上から下にラケットを振り下ろすと、ボールに逆回転がかかり、ホップするように飛んでいきます。(野球でいうとダウンスイングですね。)
このような球質と弾道になると、なかなかボールがコート内に収まりません。
力加減と振り出すタイミング
テニスでホームランが起こるもう1つの原因は、力加減と振り出すタイミングが適切でないためです。
手や腕に力を入れすぎると、ボールは過剰に飛び、コートの外に出てしまいます。
たとえ、力を入れすぎないように気をつけても、ラケットを振り出すタイミングが遅ければ、ボールに間に合うように急いでスイングすることになります。
急いで振ったラケットのスイングスピードは速く、やはりボールは飛びすぎてしまいます。
足の位置とボールとの距離感
ホームランが起こる原因の最後の1つは、足の位置とボールとの距離感が適切でないためです。
足の位置が正しくないと、ボールとの距離が合わず、本来の打点でボールをとらえられません。
その結果、インパクトでのラケット面の向きやスイングの軌道が狂い、ボールが思ったところへ飛びません。
仮に、正しいスイングと力加減を身につけたとしても、ボールとの距離をうまくとれなければコートへうまくコントロールできません。
テニスの初心者がホームランをなくすには
テニスの初心者がホームランをなくすには、以下の3つを意識するといいでしょう。
- ボールをコントロールできるスイングを身につける
- アウトとネットをしない弾道をイメージ
- ゲームや試合で大切なつなぐ意識
ボールをコントロールできるスイングを身につける
1つ目が一番の難関ですが、避けては通れないです。
テニスの初心者がホームランをなくすためには、ボールをコントロールできるスイングを身につける必要があります。
正確なスイングを身につけることで、インパクトでのラケット面とラケットの軌道が安定します。
打ったボールの弾道が収束し、コート内に収まるようになります。
そのためには、ラケットの握り方に合ったスイングと打点を知り、反復練習の中でスイングを定着させる必要があります。
テニススクールでは、コーチが初心者の生徒さんに基本的なスイングを教えて練習します。
正しいスイング技術を身につけることで、初心者だった生徒さんはホームランのような大きなアウトをほぼしなくなります。
アウトとネットをしない弾道をイメージ
アウトとネットをしない弾道をイメージすることも、テニス初心者がホームランをなくすための重要なポイントです。
正しいスイングを身につけたとしても、打つ前に適切な弾道をイメージできなければ、ネットやアウトを量産してしまいます。
ネットの2m以上高いところを通る山なりの弾道をイメージすると、ボールがコートに収まりやすいです。
アウトとネットをしない山なりの弾道をイメージすることで、ホームランやネットミスの発生率が低下するため、初心者でも安定したプレーが実現しやすいです。
ゲームや試合で大切なつなぐ意識
テニスの初心者がホームランをなくすためには、「つなぐ意識」を持つことが大切です。
ラリーをつなぐ意識を持つことで、無理に強打をせず、安定したショットを打てる確率が上がります。
自然に力を抑えたスイングができ、ボールがコート内に収まりやすくなるためです。
試合やゲームで勝利する上級プレーヤーは、状況に応じて「つなぐ」か「攻める」の判断を必ずしています。
初心者の場合、攻めるショットは後々覚えればいいので、まずは「つなぐ」判断をしたときのつなぐショットを練習しましょう。
ボールをコートへ入れるための具体的な対策
ボールをコートに入れるための具体的な対策は、下記の3つがあります。
- 適切なラケットとガットのテンション
- 力のコントロールとタイミングの修正
- ボールが飛びすぎない球種の習得
適切なラケットとガットのテンション
ボールをコートへ確実に収めるには、適切なラケットとガットのテンション(張る強さ)を選ぶ必要があります。
自分に合ったラケットとガットのテンションを選ぶことで、ラケットを気持ちよく振ったときに適切な飛距離となり、ボールをコート内に収めることができます。
ラケットの「重さ・ラケット面の大きさ・フレームの厚み」、ガットのテンションが自分に合っていると、打ちやすさやコントロールが向上し、力を効率よくボールに伝えられます。
男性向けの人気ラケットは、重さは300g・ラケット面が100インチ・フレームは厚めのものが多いです。
力があって飛びすぎる場合は、飛びが抑えられるコントロール重視のラケットを検討するのもありです。
ラケットを今より重いものを選べばスイングスピードを落とすことができます。
ラケット面を小さくしたり、フレームを今より薄いものにすれば、ボールの飛距離を落とせます。
ラケットを替えられなくても、ガットのテンションで飛距離を調節できます。
男性の平均は、ナイロンのストリングで50ポンドくらい(100インチのラケット面の場合)ですが、例えば51ポンドや52ポンドに上げると、ボールの飛距離を落とせます。
力のコントロールとタイミングの修正
力のコントロールとタイミングの修正は、ボールをコートに収めるために不可欠です。
ボールが飛びすぎる原因の1つは、「力加減と振り出すタイミング」でした。
これらを修正することで、ボールの飛距離を適切に調整できます。
グリップを握る力とラケットを振り抜くスピードを落とすことで、ボールの飛距離を抑えることができます。
とはいえ、
という方もいるでしょう。
スイングスピードを落としても打点に間に合うようにするには、ラケットのテイクバックを終えるタイミングと振り始めるタイミングを早める必要があります。
目安としては、ボールがワンバウンドする前にテイクバックを終了しておきます。
ラケットを振り始めるタイミングは、相手の打ったボールの速さやこちらのスイングスピードによります。
ただ、スイングスピードを落としたければ、その分だけラケットを早く振り始めるようにして、ボールとのタイミングを合わせましょう。
ボールが飛びすぎない球種の習得
プロのようにボールを強く叩いてもコートに収めるには、コートに落ちていく順回転の球種を覚える必要があります。
コートに落ちていく順回転の球種をトップスピンと呼びます。
ラケットを鋭く振り抜いても、トップスピンをかけることでボールの軌道を制御しやすくなります。
トップスピンは、ボールが高く飛んでもコート内に収まる軌道を描くため、ホームランを防ぐのにも効果的です。
イメージとしては、下方にあったラケットを上方へ振り抜き、ボールを転がしながら打つ感じです。
ボールに推進力を与えるため、ラケットを後ろから前に振り抜く要素も忘れないようにしましょう。
ホームランを減らすための練習メニュー
テニスでホームランを減らすには、まずボールをコントロールできるスイングを身につけるべきと書きました。
これから長くテニスと関わっていくなら、避けては通れません。
ボールをコントロールできるスイングを定着させるには、しばらく打点を絞って練習することをおすすめします。
打点を1つに絞る練習メニューを紹介します。
- STEP1打点の位置を確認
打点の位置と両足の位置と向きを確認する。
- STEP2打点から逆算して素振り
打点から逆算してテイクバックを行い、打点までのフォワードスイングを素振りで反復する。
- STEP3打点に入るフットワーク
打点に入るフットワークを使い、ボールとの距離感を覚える
毎回、打点でラケットが地面と垂直になっているのを確認できるので、ホームランを減らす効果があります。
自宅でできる練習なので、すぐに始められます!
打点の位置を確認
ホームランを減らすには、打点の位置を確認しておくのが有効です。
ボールを打ったとき、正しい打点で打てたか判断できるようにするためです。
正しい打点で打てる回数を増やしていければ、ボールが飛びすぎるのを防ぎ、コート内に収まる確率が高まります。
このステップの練習では、打点の位置と両足の位置と向きを確認します。
練習は、壁の前で行います。
壁を打点と見立て、スクエアスタンスで両足を決めます。(壁に対して真横を向きますが、顔は打点のほうへ向きます。)
壁の近くにある前足のつま先は斜め前向き、後ろ足は壁と平行にします。
グリップをフォアハンドストロークのグリップで握り、インパクトの位置にセットします。
ラケットヘッドとグリップエンドを結ぶラインと地面が平行になるようにします。
ゆっくり打つときは多少ラケット面を斜め上へ向けますが、しっかり振り抜くときはラケット面を地面と垂直にします。
ラケットを壁に合わせて、打点を視覚化します。
という方は、壁にカラーテープなどを貼って、目印にするとわかりやすいです。
打点の景色はしっかり覚えておきましょう。
打つときは、この景色になるようボールに入ります。
打点から逆算して素振り
打点の位置を覚えても、スイング中にその位置でボールを打てなかったら効果はありません。
ラケットをスイングしたときも正確な打点を再現できるように、打点から逆算して素振りを行ってみましょう。
打点から逆算して素振りすることで、テイクバック完了からインパクトまでの道筋を身体に覚え込ませます。
両足は、先ほどの練習と同じくスクエアスタンスのままです。
回数は、「10回を1〜3セット」やれば十分です。
打点に入るフットワーク
テイクバックからインパクトまでのスイングが定着したら、フットワークを付け加えます。
ボールは、基本的に打ちやすいところに飛んできません。
打ちやすい打点で打てるように、フットワークを駆使してボールに入る必要があります。
ボールがどこに飛んでくるかで使うべきフットワークは変わってきますが、早いうちに覚えたいのがサイドステップで前後に移動するフットワークです。
サイドステップで1度下がり、サイドステップで前進しながらボールに入ります。
サイドステップで下がることで、身体を自然と横向きにできます。
このときに、ラケットを引いてテイクバックを済ませておきましょう。
サイドステップで前進することで、足を踏み込みながら適切な打点で打ちやすくなります。
両足を決めてから、スイングします。
サイドステップで前後に移動するフットワークは、ボールとの適切な距離をとるのに打ってつけです。
最初のうちはこのフットワークをベースにして、他のフットワークをオプションと考えるといいでしょう。
普段のテイクバックがあれば、逆算ではなくそちらを使ったほうが実戦的です。
回数は、同じく10回を1〜3セットやれば十分です。
最後に気をつけたいことがあります。
打点で止めるスイングをデフォルトにしないことです。
本来、打点はスイングの通過点に過ぎません。
この練習が終わったら壁から離れて、同じフットワークを使いながらフォロースルーまで振り抜く素振りを行いましょう。
フォロースルーは右肘を打ちたい方向へ突き出し、ラケット面を打ちたい方向の左側を向くようにします。
ホームランをなくすならテニススクールが手っ取り早い
ホームランをなくす方法を解説してきましたが、正直テニススクールに通うのが一番手っ取り早いです。
最もおすすめするテニススクールに通う方法と、自力でホームランを解決する方法を解説します。
テニスコーチがホームランにならない打ち方を教えてくれる
テニススクールでは、経験豊富なコーチから指導を受けることができ、ボールをコントロールできるスイングを効率的に習得できます。
グループレッスンでも、入門クラスなら少ない人数のため、個別にアドバイスを受ける機会が多いです。
コーチは生徒1人1人のスイングの癖や力加減を観察し、適切にアドバイスします。
個人差はありますが、3か月あればホームランはなくなり、ボールをコントロールできるスイングが定着していきます。
自力でやるなら壁打ちかテニストレーナー
そんな場合は、壁打ちかテニストレーナーを利用するといいでしょう。
壁打ちやテニストレーナーを使った練習は、自分のペースでショットを反復できるため、正しい打点やスイングの感覚を身につけるのに効果的です。
壁打ちは、球出しのように1回だけ打つ練習やラリーのように続ける練習ができるため、ホームランをなくし、安定したスイングを身につけるのに役立ちます。
ただ、テニスコートでの力加減はイメージしにくいです。
近くに壁打ちがない場合は、テニストレーナーで代用するといいでしょう。
テニストレーナーは、重りとテニスボールをゴム紐でつないだ練習器具です。
壁打ちと比べると制限はありますが、球出しのように1回だけ打つ練習やラリーのように続ける練習ができます。
ボールが戻ってくるので、紛失しない利点があります。
スペアボールも販売しているので、ボールが消耗しても安心です。
ボールがコートに入るようになるとテニスはもっと楽しくなる
ホームランがなくなり、ボールがコートに入るようになると、テニスはもっと楽しくなります。
ボールがコート内に収まるようになると、そのうちラリーが続くようになります。
テニスは、ゲームでなくてもボールを2人で打ち合うだけで楽しいスポーツです。
さらに、ボールをある程度コントロールできるようになれば、テニスのゲームをする楽しさに気づきます。
勝ち負けが伴うテニスのゲームは、技術習得とは違った楽しさがあります。
すぐに味わえないかもしれませんが、テニスの技術を学び、続けていればその日はそのうちやってきます。
テニスがストレス解消になる
テニスは、全身を使ってボールを打ったり、広いコートを走り回るので、たくさん身体を動かします。
日々のストレスを解消できる、素晴らしい方法だと思っています。
ホームランがなくなり、ボールをある程度コントロールできるようになると、ボールを打つ気持ちよさに気づくでしょう。
テニスのプレー中は日常の悩みを忘れ、心身共にリフレッシュできます。
テニス仲間の評価が高まる
ホームランがなくなり、ボールがコートに入るようになると、テニス仲間からの評価も自然と高まります。
ボールがまったくコートに入らない状態だとテニスに誘われづらいですが、コートに入るようになると一緒にプレーする機会が増えるでしょう。
まとめ
最後にまとめておきます。
- ホームランが起こる原因は、「スイング・力加減・距離感」にあり。
- ボールをコントロールできるスイングを身につけ、意識改革をすることでホームランはなくせる。
- 「道具・タイミング・球種」で、さらにコントロール力は上がる。
- 打点から逆算して、スイングとフットワークを練習するのがおすすめ。
- テニススクールに通うのが最速だが、壁打ちやテニストレーナーでもホームランは解決できる。
ボールがコートに入るようになると、テニスはもっと楽しくなりますので、あきらめずに挑戦してみてください!
よくある質問
- Q なぜガットのテンションがボールの飛距離に影響するの?
- A
ガットのテンションが高いと、ストリングのたわみが少なくなります。その結果、ボールの飛距離は短くなります。逆に、ガットのテンションが低いと、ストリングのたわみが大きくなります。その結果、ボールの飛距離が伸びていきます。
- Q ガットがやわらかいとどうなる?
- A
ガットがやわらかいと、打ったときにボールがガットに乗るような感覚が生まれます。打球感がソフトで、ボールに回転がかかりやすく、よく飛んでくれます。ガットのテンションを落とすことで、似たような効果を期待できます。スイングスピードがそれほど早くないプレーヤーに向いています。
- Q ガットが硬いと球離れはどう変わる?
- A
ガットが硬いと、ボールがガットから離れるのが早く、鉄板で打っているような感覚になります。球離れが早い分、ボールの飛距離は落ちやすいです。ただ、スイングスピードが速い場合、ほどよくボールがガットに乗ってくれ、スピードボールが打てます。ガットのテンションを上げることで、似たような効果を期待できます。硬いガットは、パワーヒッターに好まれています。