「ラリーが続くと焦って凡ミスが増える。」
「大事な場面で緊張してミスが出てしまう。」
これらの疑問や悩みを解決する記事です。
本記事を読むと、テニスのミスを減らすための具体的な対策や練習方法が明確になり、自信を持ってプレーに取り組めます。
また、単にテニスの技術を磨くだけでなく、メンタルや体幹強化がミスを減らすために大きく影響していることがわかります。
- 自分がどんなミスをしているかを知り、適切な対策をとることで、試合中のミスを減らせる。
- 効果的な練習方法を取り入れることで、実戦でも安定したプレーができる。
- 精神面・フォーム・体幹を見直すことで、さらにミスの少ないプレーができる。
- 試合中の緊張や難しいシチュエーションにも対処できるようになり、勝率が上がる。
ミスを減らすコツ | 種類別対策法
まずは、一般的なミスの種類とその対策法を見ていきましょう。
当てはまるものがあれば、効率的にミスを減らせます。
ネットミスの減らし方 | ネットの上にターゲットを設ける
ネットミスは、1番もったいないミスです。
アウトなら、相手プレーヤーが誤って打ち返してしまう可能性があります。(特に、ネットにいる相手プレーヤー。)
ですが、ネットにかけると、相手プレーヤーはボールに触ることなく、こちらの失点になってしまいます。
ネットミスを防ぐには、ネットの上に仮想ターゲットを設けるのが効果的です。
仮想ターゲットの高さを意識することで、誤差が出ても自然とネットを越えるショットが打てるようになります。
打つショットのスピードや球種にもよりますが、仮想ターゲットはネットの2m上に設定するといいでしょう。
サイドアウトの防ぎ方 | 早い準備と振り出すタイミングを意識
サイドアウトのミスは、ラケットの振り遅れによって発生する場合が多いです。
サイドアウトを防ぐためには、早めの準備と振り出すタイミングがカギとなります。
ボールがワンバウンドする前にはテイクバックを済ませ、想定した打点に間に合うように振り出すタイミングを調整します。
ラケットを振り出すタイミングを変えずに、スイングスピードで調整しようとするとどうなるでしょうか?
打点に間に合い、サイドアウトを防げたとしても、力加減が毎回変わってしまい、ボールの飛びが安定しなくなります。
オーバーアウトの防ぎ方 | 力加減かスピン量を調節
アウトを防ぐには、力加減やスピン量を調節することが必要です。
普段、あまり回転をかけずにフラット気味で打っている方は、力加減で飛距離を調節しましょう。
ゆっくりラケットを振る場合、推進力が減ってしまいます。
その分、ネットしないように高い弾道で打ちましょう。
また、打点に間に合うように、テイクバックと振り始めるタイミングを早くする必要があります。
トップスピンをベースにストロークを打っている方は、スピン量を増やすことで飛距離を落とせます。
トップスピンをかけて飛距離を落とす場合、スイングスピードを落とす必要はありません。
スイングの前後の幅を狭めて、薄い当たりで鋭く振り抜きましょう。
テニスのミスを減らす効果的な練習方法
テニスでミスを減らすには、練習方法に工夫が必要です。
ミスを減らす練習方法を3つ紹介します。
クロスラリー
試合をする最低条件として、ミスしないクロスラリーを身につけたいです。
クロスラリーは、コートの斜め方向にボールを打ち合う定番の練習です。
試合では、クロスラリーをベースにポイントを競い合います。
クロスラリーをしながら隙を見て攻撃を仕掛けるわけですが、クロスラリーで簡単にミスしてしまうと相手はクロスにつなげているだけでポイントがとれてしまいます。
下記のどれかを採用して、工夫しながらクロスラリーの精度を高めるといいでしょう。
- 【ターゲットを設置】
- →ボール4つでピラミッドを作る
- 【サービスラインより後ろを狙って10往復】
- →サービスラインより前に落ちたら0からやり直し
- 【10ポイント先取でゲーム】
- →球出しからクロス半面で勝負する
振り回し
振り回しは、コート全体を使ってボールを追いかける練習です。
振り回し練習を続けると、走らされてもボールをコントロールする力が養われます。
その他、フットワークやスタミナも向上します。
振り回しは、主に下記の3種類があります。
- 【球出しで振り回し】
- →コートの左右に飛んでくるボールを返球する。交互とランダムの球出しがあり。4〜10球で交代。
- 【半面対1面の振り回し】
- →1対1のラリーで行う。台は片面を守り、相手を左右に振る。1面のほうは左右に飛んでくるボールをすべて半面の相手に返球する。左右交互とランダムがあり。3〜5分で交代。
- 【2対1の振り回し】
- →2対1のラリーで行う。2人のほうは台となり、相手を左右に振る。1人のほうは、左右に飛んでくるボールを実戦をイメージしてクロスとストレートに打ち分ける。2がクロスで1がストレート(もしくは反対)に打つバタフライとランダムがあり。3〜5分で交代。
YesNoラリー
YesNoラリーは、攻撃するときは「Yes」、つなぐときは「No」と判断しながら打ち合う練習です。
この練習を行うと、なんとなく打つことはなくなり、はっきりと攻撃と守備の打ち分けができるようになります。
つなぐべきときに無理しなくなり、結果としてミスが減る効果があります。
やり方は簡単です。
1対1のラリーをしながら、「Yes」か「No」と言いながら打つだけです。(半面ストレートでも、半面クロスでも、1面でもOKです。)
「Yes」と言ったときは攻撃をしかけ、「No」と言ったときはしっかりとつなぐようにします。
テニスでミスを減らす基本原則
テニスでは、エースの数ではなくミスの数で勝敗が決まります。
それだけ、ミスによる失点が多いということです。
勝利をつかむうえで重要なミスを減らすための基本原則を紹介します。
心理的準備とメンタルコントロール
試合中に緊張していると、ミスの大きな原因になります。
緊張しないコツは、試合前に心理的準備とメンタルトレーニングを行うことです。
心理的準備の具体例として、以下があります。
- 【イメージトレーニング】
- →自分が試合で成功している場面を詳細にイメージし、ポジティブな結果を想像することで自信を高める
- 【目標設定】
- →試合で達成したい具体的な目標を設定し、それに向けて準備することでモチベーションを維持する
試合中に落ち着きを保ち、ミスを恐れずにプレーするためには、メンタルコントロールが欠かせません。
メンタルコントロールの具体例として、以下があります。
- 【呼吸法】
- →意識的に深い呼吸をして、心の動揺を鎮めることは、プレッシャーを和らげる効果がある。
- 【ルーティンの確立】
- →試合中に行う一連の行動を決め、心を落ち着かせて集中力を高める。
これにより、緊張感をコントロールし、自信を持ってプレーできます。
正しいフォームの確立
正しいフォームは、ミスを減らすための基礎です。
適切なグリップ、姿勢、スイングを習得することで、安定したショットが打てます。
特に注意したいのは、手首や肘の使い方です。
手首や肘を必要以上に動かすと、ボールがなかなか安定してくれません。
スマホによる動画撮影でフォームを確認し、手首や肘が必要以上に動いていないかチェックするといいですね。
振られても崩れない体幹
体幹を鍛えることで、振られても安定してボールを返せるようになります。
強い体幹は、上半身のバランスを保ち、ショットの精度を上げてくれます。
プランクやサイドプランクといった体幹トレーニングを取り入れると、走らされたときでも上半身が崩れなくなります。
テニスでミスを減らすシチュエーション別の対応策
試合中のミスを減らすためには、特定のシチュエーションに応じた対応策を理解しておくことが重要です。
以下に、よくあるシチュエーションへの対処法を紹介します。
打点が低いボールは攻め急がない
低い打点で打たされるときは、ミスが多くなりやすいです。
高い打点で打てるときは楽にネットを越えられますが、低い打点で打つときはボールをネット以上に持ち上げる必要があるからです。
特に、浅くなったボールはネットを越えつつ飛距離を短くしないとコートに入りませんので、返球が難しくなります。
攻め急がずに、丁寧な返球を心がけましょう。
丁寧な返球をするには、スタンスを広めにとり、股関節を折り曲げて腰を落とします。(股関節を曲げると、自然と膝も曲がります。)
走らされたときの対処方法
相手に振り回されたときは、クロスを狙ってラリーを続けましょう。
クロス方向は、コートを長く使えるため飛距離が伸びてしまっても入りやすいです。
また、ネットの中央は両端より低いため、ネットにかけるリスクも減らせます。
滞空時間の長いショット(例えば、ムーンボールやスライス)を使えば時間を稼ぐことができ、ポジションや体勢を立て直せます。
上達するための長期的なポイント
ミスを減らして長期的に上達するには、計画的なアプローチが不可欠です。
以下に、そのための重要なポイントを紹介します。
継続的な練習と優先順位
継続的な練習は、技術の向上とミスの減少に直結します。
定期的に練習スケジュールを組み、具体的な目標を設定しましょう。
また、目標を達成するために、練習に優先順位をつけることをおすすめします。
自分の長所と短所を把握し、メリハリをつけた練習を行うことで、目標の達成がしやすくなります。
試合での実力発揮をサポートする習慣
試合で実力を発揮するためには、試合前後の習慣が重要です。
試合前には、十分な睡眠と栄養を心がけ、リラックスできるルーティンを持つことで、パフォーマンスを最大化できます。
試合後には、プレーを振り返り、次回に向けた改善点を考える習慣をつけるといいでしょう。
シングルスでミスを減らして勝利する戦術
シングルスで勝てるようになりたい方も、ミスを減らす戦略はおすすめです。
ラリーでミスを減らすことはもちろんですが、その他よくミスが出る場面が存在します。
以下に、シングルスでミスを減らして勝利する戦術を3つ紹介します。
フォルトを防ぐ回転系サーブと回転量の調節
サービスゲームにおいても、エースの数を増やすよりダブルフォルトの数を減らすほうがサービスキープがしやすくなります。
フォルトを減らすには、スピンやスライスといった回転系サーブの習得と回転量の調節が不可欠です。
ファーストサーブとセカンドサーブでまったく球種が違う(例えば、フラットサーブとスピンサーブ)と、打点やスイング方向が異なるため、コントロールの精度がなかなか上がりません。
サーブの精度を上げるには、ファーストサーブとセカンドサーブを同じ打ち方に揃え、回転量でスピードとコントロールを調節します。
ファーストサーブは回転量を抑えてスピードを上げて、セカンドサーブは回転量を増やしてコントロールを重視するといった具合です。
レシーブはサーブの威力を利用する
サーブと同じく、ミスが多いのがレシーブです。
レシーブでは、相手のサーブの威力を利用して返球します。
サーブのスピードに関係なく、グランドストロークと同じ力加減でラケットを振り切ってしまうと、アウトやネットミスが多発してしまうからです。
相手のサーブがゆっくりであれば、普段どおりのストロークで力を注いでも問題ありませんが、速いサーブの場合はそうはいきません。
速いサーブに対しては、相手の力を利用しつつコントロール重視のショットを心がけましょう。
正確な打点で打つには、コンパクトかつ早めの準備がカギとなります。
前に出るタイミングの見極め
シングルスでネットプレーを成功させるには、前に出るタイミングが重要です。
以下の2点が揃ったとき、前へ出るようにしたいです。
- 相手のショットが短い
- アプローチショットで相手を崩せる
サービスラインとベースラインの中間もしくはそれより前にポジションをとって打てたとき、「相手のショットが短い」と判断していいでしょう。
相手のショットが短くなったとき、積極的に前に出てプレッシャーをかけたいところですが、アプローチショットが甘いとパッシングショットの餌食になります。
アプローチショットをいい状態で打てそうなときは、相手もいいパッシングショットは打ちづらいので迷わず前へ出ましよう。
浅いボールをなんとか返球した場合、甘いコースにいきやすいです。
そんなときは無理に前へ出ず、ベースライン付近へ戻るといいでしょう。
まとめ
最後にまとめておきます。
- 自分がどんなミスをしているかを知り、適切な対策をとることが重要。
- 効果的な練習を取り入れることで、試合中のミスを確実に減らせる。
- ミスを減らすには、精神面・フォーム・体幹を見直す。
- ミスが多いシチュエーションごとの対応策を身につける。
- よい練習と習慣が、ミスを減らし、テニスの実力を長期的に向上させる。
- シングルスでは、ミスを減らすための戦術と的確な判断が必要。
参考元書籍
よくある質問
- Q ダブルスでミスを減らすためのコミュニケーション方法は?
- A
ダブルスでは、パートナーと常に声を掛け合うことが重要です。ボールを打つ前に「はい!」もしくは「お願い!」と意思表示し、どちらが打つか決めることでミスを減らせます。
- Q フットワークを改善するためのトレーニング方法は?
- A
フットワークを改善するには、ラダートレーニングやサイドステップ・クロスステップ・バックステップなどのトレーニングが効果的です。テニスの練習前にフットワークのトレーニングを行うことで、オンコートでスムーズに動けるようになります。
- Q 試合後にミスを振り返る際のポイントは?
- A
どんな状況でミスしていたか、どのショットでミスが多かったか、どんなふうにミスしていたかを記録し、改善できるように練習すると効果的です。